【ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン】
【標題】本届出商品に含有する機能性関与成分『ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン』の歩行能力の維持に与える効果に関する定性的研究レビュー
【目的】健康な成人がブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを継続摂取したときの歩行能力に対する有効性を検証しました。
【背景】身体機能は加齢により衰えていきますが、日々の運動や食事などにより維持することができると考えられます。これについて、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの摂取によって歩行能力が維持されることが報告されているため、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンと歩行能力に関する研究レビューを実施し、科学的エビデンスの確認を行いました。
【レビュー対象とした研究の特性】国内外の学術論文のデータベースを使用して2019年9月以前の全ての論文を検索し、ヒトを対象としたランダム化二重盲検比較試験の文献2件を研究レビューの対象としました。
【主な結果】レビューの対象とした文献のうち、1報は60歳以上のタイ人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン7.2mgを8週間継続摂取させることで、歩行能力の指標とされる6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加していました。もう1報は65歳以上の日本人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12mgを8週間継続摂取させることで、同様に6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加していました。以上の結果から、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン7.2mgを含む本届出商品には、中高年齢者において加齢により衰える歩行能力の維持に役立つ機能があると考えられました。
【科学的根拠の質】採用した文献数や、被験者数の観点で十分な精査には至らなかったことから、今後の研究を注視する必要があります。
一方で、採用した文献のいずれにおいても、健康な中高年齢者で有意に歩行能力の増加が認められていました。日本人を対象とした試験においても有効との結果が得られており、科学的根拠があると考えられます。
以上より、本届出商品は採用した文献と同様のブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン7.2mgを含有しており、中高年齢者において加齢により衰える歩行能力の維持に役立つ機能が期待できると考えられました。
【サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン】
【標題】
サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン摂取による膝関節の機能性に関する研究レビュー
【目的】
膝関節の不快感を持つ健常者に対するサケ鼻軟骨由来プロテオグリカン摂取が、軟骨成分の分解を抑え、関節軟骨の保護に役立ち、膝関節の可動性及び日常生活における膝の動きをサポートする機能があるかを検証するため定性的研究レビューを行った。
【背景】
軟骨組織の細胞外基質の主成分は、プロテオグリカンとⅡ型コラーゲン繊維である。サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンは、ヒトの膝関節に関していくつかの臨床報告があるが、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンの摂取による関節軟骨の保護に対する影響や、膝関節の可動性及び日常生活における膝の動きに関する研究レビューはなかった。
【レビュー対象とした研究の特性】
健常者(膝関節の不快感を持つ者を含む)を対象として、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンの摂取による関節軟骨への影響をランダム化二重盲検試験で実施した文献を検索した(検索日は、2021年5月28日)。文献検索の結果、採用文献は2報となった。
【主な結果】
評価した2報のうち1報は、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンを10mg以上含有した食品を12週間摂取することにより、膝関節の可動域の改善作用及び日常生活における膝の動きをサポートすることが報告されていた。他の1報は、膝関節の不快感を一時的に持つような健常者において、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンを16週間摂取(10mg/日)することにより、Ⅱ型コラーゲンの分解を減少させ、軟骨代謝の改善を介して、軟骨保護作用を示すことが報告されていた。以上より、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンは、「糖(糖質、糖類)」や「たんぱく質」とは異なる作用により、膝関節の不快感を緩和し、膝関節のサポートに寄与するものと考えられた。
【科学的根拠の質】
本研究レビューの限界は、抽出できた文献が2報であり、報告例が少ないことが挙げられる。採用文献が2報である為、出版バイアスの可能性は否定できないため、更なる臨床研究が待たれる。
【モリンガ種子由来グルコモリンギン】
(ア)標題
モリンガ種子由来グルコモリンギンの日常生活における疲労感および腰の不快感に関するシステマティックレビュー
(イ)目的
日常生活で疲れや腰の負担を感じやすい健常者を対象として、モリンガ種子由来グルコモリンギンを摂取することによる疲労感や腰の不快感の軽減の有効性をプラセボと比較して明らかにする目的で調査した。
(ウ)背景
疲労は主に身体的および心理的ストレスによって引き起こされる症状であり、現代社会において心身の健康、仕事の効率、生活の質などに影響する深刻な問題となっており、その改善が求められている。モリンガ種子由来グルコモリンギンは抗酸化作用を有し、ヒトを対象とした試験で、疲労を感じやすい健常者の疲労感を軽減し、腰の負担を感じやすい健常者の腰の不快感を軽減することが示されているが、総合的に評価した研究レビューは実施されていなかった。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
4つのデータベースを用い、日本語文献検索は2020年3月10日に、英語文献検索は2020年3月17日に実施した。その結果、本研究レビューの対象となった文献が1報得られた。健常者男女40名を対象者とし、機能性関与成分のモリンガ種子由来グルコモリンギンを1日あたり12mg量で、4週間摂取させていた。アウトカムの測定はモリンガ種子由来グルコモリンギン摂取前と摂取開始から1、2、3、4週間後の5点で実施されていた。主要アウトカムとして疲労感および疲労に伴う身体症状(肩、腰の負担、眼精疲労)に関するVAS(Visual Analogue Scale)の変化量を評価していた。また、本文献には、全被験者を対象とした全体解析と、疲労感や疲労に伴う身体症状を感じやすい健常者に限定した層別解析が報告されていた。利益相反については、適切に記載されていた。
(オ)主な結果
モリンガ種子由来グルコモリンギンの摂取により、日常生活で疲れを感じやすい方を対象とした解析で一時的な身体的疲労感の有意な軽減、腰の負担を感じやすい方を対象とした解析で腰の不快感の有意な軽減がみられた。
(カ)科学的根拠の質
本研究レビューでは、全被験者を対象にした解析は日常生活で疲労感と腰の不快感を自覚しているが、その程度が軽度の健常者が含まれていたため採用しないこととし、疲労感や腰の不快感を感じやすい方を対象にした解析を採用した。本研究レビューで採用した研究は、研究の質に深刻な問題は認められず、モリンガ種子由来グルコモリンギン含む食品を摂取することで、日常生活で疲れを感じやすい方の一時的な身体的な疲労感を軽減し、腰の負担を感じやすい方の腰の不快感を軽減することが報告されていた。以上を以ってモリンガ種子由来グルコモリンギンの日常生活で疲れを感じやすい健常者の一時的な身体的疲労感を軽減し、腰の負担を感じやすい健常者の腰の不快感を軽減させる機能について、示唆的な根拠があると判断した。なお、限界としてモリンガ種子由来グルコモリンギン摂取による疲労感並びに腰の不快感軽減効果を報告した文献が1報と少ないため、本効果を検証するための更なる臨床試験が望まれる。 |