[N-アセチルグルコサミンの移動時のひざ関節の不快感を軽減する機能について](研究レビュー)
(ア)表題
最終製品「ピルクル ひざアクティブ」に含有する機能性関与成分N-アセチルグルコサミンによる膝関節の機能改善に関するシステマティックレビュー
(イ)目的
膝関節に違和感をもつ者を含む成人健常者を対象に、N-アセチルグルコサミンの継続的な経口摂取による膝関節機能の改善効果についてシステマティックレビューを実施しました。
(ウ)背景
N-アセチルグルコサミンのヒト経口摂取による膝関節への影響について評価した文献の検索を行いました。独立したレビュアーA、BがPubMed、JDreamⅢ、UMIN-CTRにて文献検索を実施しました。事前に設定した適格基準に基づいて文献を選定しました。研究の質はバイアスリスク、非直接性を評価しました。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
採択されたヒトランダム化比較臨床試験の文献5報は、全て膝に違和感がある者、またはK-L分類0またはⅠと診断された健常者を対象としたヒトランダム化比較臨床試験でした。
(オ)主な結果
全ての採択文献においてN-アセチルグルコサミンの投与は膝関節の機能、及び軟骨代謝マーカーを有意に改善する結果であることを報告していました。
(カ)科学的根拠の質
本レビューにおける研究全体のバイアスリスク、非直接性は低いと評価しました。一方、不精確は全ての採択文献で実績のある数値または経験的な数値ではあるものの、検定力分析は実施されていませんでした。非一貫性はJOAスコアでは2報で有意な効果が認められ、VASスコアでは有意な効果が認められた文献と認められなかった文献が同数、軟骨代謝マーカーでは有意な効果が認められた文献が4報中3報、認められなかった文献が4報中1報で有意な効果が認められた文献数が上回っていました。その他、出版バイアスは全ての採択文献において否定することができませんでした。
これらの結果から、表示しようとする機能性について、消費者へわかりやすい表現も考慮の上、下記のように考察しました。機能性を感じる状況を採択論文の結果から、「歩行や階段昇降時」、すなわち日常生活を営む上での「歩行時」と規定し、対象者は「膝に違和感を抱えた者を含む健常者」で、機能性は健常者が感じる違和感であることから、「違和感」とし、作用部位は「膝関節」と関連づけられると判断したことから、前述の表示しようとする機能性との関連性に齟齬はないと考えられます。
[乳酸菌NY1301株の腸内環境を改善する機能について](研究レビュー)
(ア)標題
乳酸菌NY1301株の腸内環境改善作用に関する研究レビュー
(イ)目的
便秘傾向の健常者に、乳酸菌NY1301株を摂取させることによって、プラセボ摂取と比べ、腸内環境が改善するかの検証を目的としました。
(ウ)背景
乳酸菌NY1301株は、腸内の環境を改善し、おなかの調子を良好に保つ関与成分として、2001年に特定保健用食品の許可を受けた乳酸菌です。乳酸菌NY1301株の有用性を示した研究は数多く公表されていますが、研究レビューについては確認されていませんでした。そこで、今回「便秘傾向の健常者に、乳酸菌NY1301株を摂取させることによって、プラセボ摂取と比べ、腸内環境が改善するか」を明らかにすることを目的とした研究レビューを実施しました。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
2019年5月8日、2019年7月6日の2回に分けて、国内外の3つのデータベースを用いて検索を実施しました。18歳以上の健常な日本人を対象とした文献を抽出し、事前に定めた条件によって取捨選択を行いました。その結果、最終的に評価することになった論文はRCTが1報でした。
(オ)主な結果
乳酸菌NY1301株400億個/日、2週間の摂取では、プラセボ摂取と比較して、摂取期間平均の排便回数が有意に増加しました。摂取期間平均の排便日数、および排便量については、増加傾向にとどまりました。また、便中細菌占有率ではプラセボと比較して、乳酸菌NY1301株の摂取は、Lactobacillus属が有意に増加し、B.longum subsp.longum属に関しては乳酸菌NY1301株の摂取前後で有意な増加を示しました。
(カ)科学的根拠の質
採用した研究について、高度の症例減少バイアスが見られました。また、アウトカムでは便通と便中細菌占有率に標準偏差の大きさからくる不精確がありました。研究レビュー全体としては、文献の検索を英語と日本語のデータベースに絞ったことから、他言語での論文収集の網羅性の問題や出版バイアスの存在は否定できないため、今後さらなるエビデンスの拡充が望まれます。 |