・サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン
標題:サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン摂取による膝関節の機能性に関する研究レビュー
目的:膝関節の不快感を持つ健常者に対するサケ鼻軟骨由来プロテオグリカン摂取が、軟骨成分の分解を抑え、関節軟骨の保護に役立ち、膝関節の可動性及び日常生活における膝の動きをサポートする機能があるかを検証するため定性的研究レビューを行った。
背景:軟骨組織の細胞外基質の主成分は、プロテオグリカンとⅡ型コラーゲン繊維である。サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンは、ヒトの膝関節に関していくつかの臨床報告があるが、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンの摂取による関節軟骨の保護に対する影響や、膝関節の可動性及び日常生活における膝の動きに関する研究レビューはなかった。
レビュー対象とした研究の特性:健常者(膝関節の不快感を持つ者を含む)を対象として、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンの摂取による関節軟骨への影響をランダム化二重盲検試験で実施した文献を検索した。文献検索の結果、採用文献は2報となった。
主な結果:評価した2報のうち、1報は、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンを10mg以上含有した食品を12週間摂取することにより、膝関節の可動域の改善作用及び日常生活における膝の動きをサポートすることが報告されていた。他の1報は、膝関節の不快感(日本版変形性膝関節症患者機能評価表(JKOM)≧41)を一時的に持つような健常者において、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンを16週間摂取(10mg/日)することにより、Ⅱ型コラーゲンの分解を減少させ、軟骨代謝の改善を介して、軟骨保護作用を示すことが報告されていた。以上より、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカンは、「糖(糖質、糖類)」や「たんぱく質」とは異なる作用により、膝関節の不快感を緩和し、膝関節のサポートに寄与するものと考えられた。
科学的根拠の質:本研究レビューの限界は、抽出できた文献が2報であり、報告例が少ないことが挙げられる。採用文献が2報である為、出版バイアスの可能性は否定できないため、更なる臨床研究が待たれる。
・ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン
標題:機能性関与成分ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの歩行能力の維持に与える効果に関する定性的研究レビュー
目的:健康な成人がブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを継続摂取したときの歩行能力に対する有効性を検証した。
背景:身体機能は加齢により衰えていくが、日々の運動や食事などにより維持することができると考えられる。これについて、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの摂取によって歩行能力が維持されることが報告されているため、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンと歩行能力に関する研究レビューを実施し、科学的エビデンスの確認を行った。
レビュー対象とした研究の特性:国内外の学術論文のデータベースを使用して2019年9月以前の全ての論文を検索し、ヒトを対象としたランダム化二重盲検比較試験の文献2件を研究レビューの対象とした。
主な結果:レビューの対象とした文献のうち、1報は60歳以上のタイ人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン7.2 mgを8週間継続摂取させることで、歩行能力の指標とされる6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加していた。もう1報は65歳以上の日本人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgを8週間継続摂取させることで、同様に6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加していた。以上から、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgを含む本品には、中高年齢者において加齢により衰える歩行能力の維持に役立つ機能があると考えられた。
科学的根拠の質:採用した文献数や、被験者数の観点で十分な精査には至らなかったことから、今後の研究を注視する必要がある。一方で、採用した文献のいずれにおいても、健康な中高年齢者で有意に歩行能力の増加が認められていた。日本人を対象とした試験においても有効との結果が得られており、科学的根拠があると考えられる。
以上より、本品は採用した文献と同様のブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12mgを含有しており、脚の曲げ伸ばし等の筋肉に軽い負荷がかかる運動との併用で、中高年の方の歩行能力の向上に役立つ機能が期待できると考えられた。
・GABA
標題:機能性関与成分GABAのストレスおよび疲労感の低減作用に関する研究レビュー
目的:健常成人がGABAを摂取することによって、プラセボを摂取する場合と比べて、精神的ストレスや疲労感を緩和するか、について検討することを目的とした。
背景:GABAには睡眠や血圧の改善に加えて、一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和する効果があることが知られている。今回、その効果を改めて検証するために研究レビューを行った。
レビュー対象とした研究の特性:データベース3種の検索により抽出された36報と、ハンドリサーチの1報の文献の37報において、事前に設定した基準に基づいて選択した結果、最終的に6報が採用された。採用された文献はいずれも査読付き論文で、日本人を対象としていた。また、採用した文献のうち2報が単盲検試験であった。
主な結果:GABA摂取30分前後、GABA 28mg以上の条件下でストレスマーカーの有意な低下が確認され、また、GABA摂取後30~60分、GABA 100mgでの条件下でα波の有意な増加が確認された。自律神経活動においても、GABA28mg摂取後36.5~45分でリラックス状態(ストレスの緩和)が認められたことから、GABA 28mg以上の摂取後30~60分程度でストレスの緩和に関する機能性が確認された。さらに、GABA摂取30分前後、GABA 28mg~50mgの条件において、主観的評価での疲労感の有意な低下が確認された。
科学的根拠の質:アウトカムレベルの限界として、自律神経活動については1報しか採用していないため非一貫性が評価できなかったことが挙げられる。また、研究レビュー全体の限界としては、ファンネルプロットを用いなかったため出版バイアスを評価できなかったことが挙げられる。 |