【グアーガム分解物(食物繊維)】
【標題】腸内環境に及ぼす影響に関する研究【背景・目的】ビフィズス菌を増やして腸内環境を良好にするかについて検証した。【レビュー対象とした研究の特性】4つのデータベースを用い検索を実施し、健常者を対象としたRCT論文1報を評価した。【主な結果】グアーガム分解物(食物繊維)3.5g/日摂取により、健常者(下痢傾向者)の糞便中のビフィズス菌が有意に増加し腸内環境を良好にすることが認めらた。【科学的根拠の質】選定文献が1報のため、研究の限界は否めないが、科学的根拠の質は高いと考えられる。
【標題】便秘気味の方のお通じを改善する機能に関する研究
【背景・目的】お通じを改善する機能について検証した。【レビュー対象とした研究の特性】4つのデータベースを用い検索を実施し、RCT論文である2報の文献を評価した。【主な結果】グアーガム分解物(食物繊維)5.2g/日摂取により排便回数、排便量が有意に増加することが分かった。【科学的根拠の質】選定文献が2報であり、未報告研究の存在が否定できないことが研究の限界だが、科学的根拠の質は高いと考えられる。
【標題】やや軟らかめの便を改善しておなかの調子を整える機能に関する研究
【背景・目的】便がやや軟らかめの方のお腹の調子および便性状の改善について検証した。【レビュー対象とした研究の特性】4つのデータベースを用い検索を実施した。便がやや軟らかめの方を対象とし、RCT論文である1報を評価した。【主な結果】グアーガム分解物(食物繊維)3.5g/日の摂取により、やや軟らかめの便を改善する作用が認めらた。【科学的根拠の質】文献が1報であったため、また、未報告研究の存在が否定できないことも研究の限界として挙げられるが科学的根拠の質は高いと考えられる。
【標題】糖の吸収をおだやかにし、食後血糖のピーク値を抑える機能に関する研究
【背景・目的】糖の吸収をおだやかにし、食後血糖のピーク値を抑えるかについて検証した。【レビュー対象とした研究の特性】4つのデータベースを用い、検索を実施した。対象集団は空腹時血糖値又は75gOGTT:経口ブドウ糖負荷試験(糖尿病の診断方法のひとつ)の結果が境界型の者または食後血糖が高めの者とし、RCT論文1報を評価した。【主な結果】グアーガム分解物(食物繊維)3g/日摂取により食後血糖血中濃度曲線下面積(AUC値)および食後血糖のピーク値(Cmax)が有意に低下することが認められたため、糖の吸収を押さえ、食後血糖のピーク値をおだやかに抑える機能があると考えられる。【科学的根拠の質】文献が1報であったため、研究の限界もあるが、科学的根拠の質は高いと考えられる。
【GABA】
【標題】睡眠の質(眠りの深さ)に関する研究
【背景・目的】日常生活における睡眠の質(眠りの深さ)を改善する機能性を検討することを目的とした。【レビュー対象とした研究の特性】医学論文データベースを検索し、健康成人対象でGABA・プラセボ摂取時を比較した試験で脳波を評価している文献を2報採用し評価した。【主な結果】GABA摂取(100 mg/日)の効果として、採用文献2報で、深い睡眠時間の有意な増加(p<0.05)を示している。また1報では、ストレス状況や疲労感の違いによる層別解析を実施した場合、一時的な疲労感やストレスをより強く感じている人のノンレム睡眠ステージ3の時間が、有意に増加した。GABAは睡眠の質(眠りの深さ)を向上させる機能を発揮すると評価した。【科学的根拠の質】論文のバイアスリスクの評価では、採用論文は低度であった。調査した論文はRCT論文で、脳波検証した科学的根拠の質は高いと考えられる。
【標題】一時的な活気・活力感の低下軽減効果に関する研究
【背景・目的】一時的な活気・活力感の低下軽減効果を網羅的に文献検索し機能性を検討した。【レビュー対象とした研究の特性】医学論文データベースを検索し精査した結果、健常成人男女を対象としRCT論文であり、一時的な活気・活力感の指標としてPOMS2-AS「活気-活力」を評価している文献を選抜し、1報採用した。【主な結果】一時的な活気・活力感が低下している成人がGABA100㎎摂取で一時的な活気・活力感の低下が有意に軽減した事を報告している。【科学的根拠の質】論文のバイアスリスクの評価では採用論文は低度であった。調査対象はRCT論文であり、科学的根拠の質は高いと考えられる。
【標題】仕事や勉強に伴う一時的な精神的ストレスを軽減する機能に関する研究
【背景・目的】日常生活における精神的ストレスがかかる作業によって生じる一時的なストレスや疲労感に対するGABAの機能性検証を目的とした。【レビュー対象とした研究の特性】データベースを検索し、RCT論文である7報の文献を評価した。【主な結果】一時的なストレスや疲労感を評価する指標「主観的指標(VAS、POMS)、客観的指標(唾液中のコルチゾール・クロモグラニンA、脳波の変動、自律神経活動の各指標)」により評価した。結果、28~100mgのGABA摂取で、精神的ストレスがかかる作業後の一時的なストレス感や疲労感の緩和が確認された。【科学的根拠の質】論文のバイアスリスクの評価では、採用論文7報中1報が中程度であり、他の6報は低度であった。科学的根拠の質は高いと考えられる。
【標題】血圧低下作用に関する研究
【背景・目的】血圧が正常もしくは高め〔(収縮期)血圧~139 mmHgまで、(拡張期)血圧~89 mmHgまで〕の、血圧低下機能についての評価を目的とした。【レビュー対象とした研究の特性】文献データベース等を用いて検索し15報を評価対象とした。【主な結果】正常高血圧(収縮期血圧 130~139 mmHg 又は拡張期血圧 85~89 mmHg)の人において、1日あたり12.3mg~80mgのGABA摂取時は有意な効果が認められた。また、正常な血圧の人のみを対象とした場合は正常な血圧を維持した。【科学的根拠の質】収集論文は、RCTがほとんどで、科学的根拠の質は高いと考えられる。一部において、研究方法にバイアスが疑われるもの、利益相反について記述がないものもあったが特に問題となるものはなかった。
【標題】肌弾力維持機能に関する研究
【背景・目的】肌弾力維持に対するGABAの機能性について検証することを目的とした。【レビュー対象とした研究の特性】データベースを検索結果、健康な成人を対象としたRCTで、肌の弾性を評価している1報を採用した。【主な結果】健康女性に対して、乾燥する時期に、肌弾力へのGABA 摂取(100 mg/日)の効果を調査しており、GABA摂取群は肌弾力低下が有意に緩和された(P<0.05)。肌の構造は全身で共通であり、性差もないことから、GABAは肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける機能があると評価した。【科学的根拠の質】採用文献が1報であるため出版バイアスは否定できず、肌弾力を測定した部位が頬のみであることから、今後さらなるエビデンスの蓄積が望まれる。採用文献はRCT論文であり、科学的根拠の質は問題ないと判断した。
【エラグ酸】
【標題】体重、体脂肪、及び血中中性脂肪、BMI値に対する機能性に関する研究
【背景・目的】健常な過体重(肥満1度)者に対して、体脂肪及び血中中性脂肪をはじめ、体重、BMI値、ウエスト周囲径、内臓脂肪などを低減させる機能性について研究レビューを実施した。【レビュー対象とした研究の特性】 複数のデータベースを用いて、公表された論文を検索対象とし RCTの査読付き論文2報を評価した。【主な結果】肥満気味(BMI値25kg/m2以上30kg/m2未満)の健常成人を対象とし、エラグ酸(3mg/日)の日常的な経口摂取により、体脂肪、血中中性脂肪、体重、BMI値、ウエスト周囲径、及び内臓脂肪を有意に低減させることが認められた。【科学的根拠の質】2報は、査読付き論文であり、RCT試験で信頼性が高い研究であった。ただしその他の未発表の研究データが存在する可能性は否定できない。 |