【機能性関与成分:ターミナリアベリリカ由来没食子酸及びバナバ葉由来コロソリン酸】
1.標題
機能性関与成分「ターミナリアベリリカ由来没食子酸、及びバナバ葉由来
コロソリン酸」の糖と脂肪の吸収抑制に対する機能性に関する研究レビュー
2.目的
食後の血糖値や食後の血中中性脂肪値が上がりやすい健常成人に、ターミナリ
アベリリカ由来没食子酸、及びバナバ葉由来コロソリン酸を摂取させると、プラセ
ボ摂取と比較して、食事の糖と脂肪の吸収を抑える機能を有するか検証すること
を目的とした。
3.背景
ターミナリアベリリカに含まれる没食子酸は、α-グルコシダーゼ阻害作用によ
って糖の吸収を抑えること、また、膵リパーゼ阻害作用によって脂肪の吸収を抑え
ることがヒト臨床試験により報告されている。また、バナバ に含まれるコロソリ
ン酸は、食後血糖値の改善作用を示すことがヒト臨床試験により報告されている。
コロソリン酸も没食子酸と同様に、α-グルコシダーゼ阻害作用や膵リパーゼ阻害
作用が報告されている。そこで、ターミナリアベリリカ由来没食子酸、及びバナバ
葉由来コロソリン酸の食事の糖と脂肪の吸収を抑える機能について総合的に評価
するための研究レビューを実施した。
4.レビュー対象とした研究の特性
食後の血糖値や食後の血中中性脂肪値が上がりやすい健常成人の方を対象に、
ターミナリアベリリカ由来没食子酸及びバナバ葉由来コロソリン酸の摂取による食事の糖と脂肪の吸収抑制(評価指標:食後血糖曲線下面積(AUC)、及び食後血中中性脂肪曲線下面積(AUC))への影響を、プラセボと比較した論文を評価対象とした。文献検索し、論文の内容を精査したところ、採用論文は1報となった。
※曲線下面積(AUC):吸収量を反映する指標として知られている
5.主な結果
採用論文は1報のみであったが、無作為化二重盲検プラセボ対照試験という信頼性の高い研究であった。
食後の血糖値や血中中性脂肪値が上がりやすい健常成人を対象とし、負荷食(ハンバーグ、バターロール、フライドポテト)摂取前に、ターミナリアベリリカ由来没食子酸20.8 mg/回、及びバナバ葉由来コロソリン酸1.0 mg/回を摂取させた結果、プラセボと比較して負荷食摂取後の食後血糖変化量AUC、及び食後血中中性脂肪変化量AUCの有意な抑制が認められた。
6.科学的根拠の質
食後の血糖値や血中中性脂肪値が上がりやすい健常成人において、ターミナリアベリリカ由来没食子酸20.8 mg/回、及びバナバ葉由来コロソリン酸1.0 mg/回の摂取が、食事の脂肪と脂肪の吸収を抑える機能を有することが示された。本研究の限界として、未公表研究がある可能性も否定できないことから、情報の偏りがある疑いは否定できない。また、採用論文が1報のみであったため、今後の研究の注視が必要である。
【機能性関与成分:ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン】
1.標題
「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取による、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪の代謝を助け消費しやすくする機能性に関する研究レビュー
2.目的
健常者に対する「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価した。
3.背景
依然として肥満を低減することは重要な課題であり、肥満低減には代謝機能を改善し、体脂肪を消費することが重要である。日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪の代謝を助け消費を高めることは肥満の予防に役立つと考えられる。
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの脂肪消費に関する研究報告はあるが、包括的に整理する研究レビューはなかった。
4.レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して論文を検索し、基準に合致した文献1報(ランダム化比較試験)を研究レビューの対象とした。なお、本文献は丸善製薬株式会社が費用負担した研究であった。
5.主な結果
上記文献はブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgの摂取による、日常活動時の呼吸商を評価しており、呼吸商の有意な低下が認められた。呼吸商はエネルギー代謝における脂肪と糖の消費割合を示すことから、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12mgには、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪の代謝を助け消費しやすくする機能を有する可能性が考えられた。
6.科学的根拠の質
採用した文献は1報のみであったため、定性的な研究レビューを実施した。そのため、言語および定量性に関して研究の限界があるので、今後の研究結果が本研究レビューの結果に影響を与える可能性がある。今後の研究に注視することが必要ではあるが、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgの摂取は、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪の代謝を助け消費しやすくする機能に対する有効性に一定の根拠があると判断した。 |