【標題①】
ドコサヘキサエン酸(DHA)・エイコサペンタエン酸(EPA)による血中中性脂肪値(以下、中性脂肪値)の低下に関する研究レビュー
【目的】
疾病に罹患していない健常成人および中性脂肪値がやや高めの者がDHA・EPAの摂取により、中性脂肪値が低下するかを検証しました。
【背景】
DHA・EPAは魚介類に多く含まれており、日本人にとっては長い食経験のある成分です。近年、魚介類を食べる量の減少とともに、DHA・EPAの摂取量が減っていると考えられています。
【レビュー対象とした研究の特性】
疾病に罹患していない健常成人および中性脂肪値がやや高めの者を対象として、DHA・EPAの有効性を検討している試験報告を調べました。さらに、疾病に罹患していない者のみに限定した場合や、対象者が日本人のみの場合についても調べました。
【主な結果】
データベース検索により701報の文献が抽出され、除外基準に抵触するか確認したところ12報が採用文献となりました。
12報のうち10報でDHA・EPAの経口摂取により中性脂肪値の低下機能の有効性が報告されていました。なお12報のうち、疾病に罹患していない者のみを対象とした文献は6報あり、メタアナリシス(複数の研究の結果を統合する統計解析)により解析した結果、DHA・EPAの摂取が有効であることが確認されました。
有効性を肯定する報告から、DHA・EPAの摂取量の総量として1日当たり182㎎~5,960㎎を摂取することによって、中性脂肪値が低下することが期待できるものと判断しました。
本品は1日当たりの摂取目安量中にDHA・EPAを620mg含んでおり、中性脂肪値低下機能が期待できると判断しました。
【科学的根拠の質】
本研究レビューの限界は、英語と日本語のみを検索のキーワードとしたため、他の言語で書かれている文献が調査されておりません。しかし、複数の研究報告およびメタアナリシスでDHA・EPAの摂取により中性脂肪値が低下するということが支持されているので、科学的根拠は十分であると判断しました。
【標題②】
DHA・EPAを用いた健常人に対する記憶力の維持に関する研究レビュー
【目的】
健常人に対して、DHA・EPAを含んだ食品を摂取することにより、記憶力を維持する作用がみられるか検証しました。
【背景】
高齢化が急速に進む現在の日本において、加齢に伴う認知機能の低下は大きな問題となっています。記憶力の低下には、特に食生活の面からは栄養成分の摂取が影響していると言われています。魚に含まれる成分であるDHA・EPAの摂取は記憶力の維持に有効ではないかと報告されています。
【レビュー対象とした研究の特性】
疾病に罹患していない40歳以上の健常人(認知症ではないとされている「軽度認知障害」の人も含みます。)を対象としてDHA・EPAの記憶力に関する有効性評価を行った研究を調査しました。さらに、対象者が日本人のみの場合についても調査しました。
【主な結果】
データベース検索により、1,318報の文献が抽出され、あらかじめ決めてあった基準を確認したところ、12報が採用文献となりました。
記憶力に関する指標を調べたところ、文献8報で記憶力を維持する作用があることが報告されていました。なお、日本人のみを対象とした文献の場合にも、記憶力を維持する作用があると報告されていました。
以上より、DHA・EPAを1日当たり434mg以上摂取することにより、中高年の方の加齢に伴い低下する、認知機能の一部である記憶力の維持が期待できると判断しました。
本品はDHA・EPAを620mg含んでおり、上記のとおり記憶力を維持する作用が期待できるものと判断しました。
【科学的根拠の質】
本研究レビューの限界として、メタアナリシス(複数の研究の結果を統合する統計解析)による検証がされていないことが挙げられます。しかし、複数の研究報告で認知機能の一部である記憶力を維持する作用が支持されていることから、科学的根拠は十分であると判断しました。 |