■ 非変性Ⅱ型コラーゲン
1.標題
機能性関与成分「非変性Ⅱ型コラーゲン」による関節の柔軟性、可動性をサポートする機能性に関する研究レビュー
2.目的
本研究レビューでは、健常者(健康な成人男女)を対象とした非変性Ⅱ型コラーゲンを含む食品を摂取した群(グループ)が、非摂取群(プラセボ群;非変性Ⅱ型コラーゲンを含まない食品を摂取したグループ)と比較して関節の柔軟性、可動性への効果(機能性)について、国内外の研究論文を網羅的(広範囲)に調査して、科学的に評価することを目的とした。
3.背景
健常者の関節には変性していない状態のⅡ型コラーゲン(すなわち非変性Ⅱ型コラーゲン)が存在しており、関節軟骨での構成割合は15~20%程度である。非変性Ⅱ型コラーゲンは、これまでに関節症患者において経口免疫寛容作用で関節の快適さ(痛みや腫れなど)に有用であることが報告されている。そこで、健常者における関節への機能性(柔軟性、可動性)における効果についても期待できると考えられる。
4.レビュー対象とした研究の特性
日本語及び英語文献の国内外のデータベース(PubMed、Google Scholar、Cochrane Database for Systematic Reviews、Food Science & Nutrition、ClinicalTrials.gov、World Health Organization International Clinical Trials Registry Platform、医中誌、CiNii、J-Stage)を用い、検索日以前において、健常者を対象に非変性Ⅱ型コラーゲンの経口摂取によって関節への機能性を検討した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(RCT;Randomized Controlled Trial)を実施した文献を検索した。そこで、抽出した研究論文に対して、バイアスリスク、非直接性、非一貫性等からエビデンスの強さを評価した。
5.主な結果
文献調査を行った結果、このたび採択・評価された研究論文は1報であった【J Int Soc Sports Nutr, 10;48, 1-12 (2013)】。この研究は、健常者において非変性Ⅱ型コラーゲン(1日当たり10㎎)を経口摂取することにより、非摂取群(非変性Ⅱ型コラーゲンを含まない食品を摂取したグループ)と比較して関節の可動域である曲げ伸ばし範囲(すなわち柔軟性、可動性)の有意な改善が認められた。また、非変性Ⅱ型コラーゲン摂取における有害と判断される事象は認められなかった。ただし、エビデンスの強さの評価については、当該論文が1報であったことから一貫性などの分析は行えず、また研究規模(非変性Ⅱ型コラーゲンを含む食品を摂取したグループ(介入群) 27名、非変性Ⅱ型コラーゲンを含まない食品を摂取したグループ(対照群) 28名)が中程度であり、資金源も民間会社の研究論文であったため、エビデンス総体としては中程度と評価された。
6.科学的根拠の質
採択・評価された研究論文は1報ではあったが、査読付き論文であり、研究デザインが無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(RCT)であったため、エビデンスの質は高いと考えられる。本研究レビューにより、非変性Ⅱ型コラーゲンを継続的に摂取することは、関節への機能性(柔軟性、可動性)に有用であることが確認された。
また、本研究レビューの限界については、未発表の研究データが存在する可能性が否定できないものの、文献検索は科学技術分野から医療分野の主要なデータベースを使用しているため、現時点で公表されている当該研究をほぼ網羅していると判断した。
以上のことから、当該機能性関与成分「非変性Ⅱ型コラーゲン」を含む当該製品は、膝関節の柔軟性、可動性をサポートする(助ける)という機能性表示食品として適切であると判断した。
■ N-アセチルグルコサミン
1.標題
本品「 皇潤 極EX(イーエックス)」に含有するN-アセチルグルコサミン摂取が膝関節機能に及ぼす効果に関する研究レビュー
2.目的
N-アセチルグルコサミン摂取が膝関節の機能に及ぼす効果を評価すること
3.背景
N-アセチルグルコサミンは肌水分量の増加機能や、変形性膝関節症の緩和機能が報告され、サプリメントとして利用されている。一方、健常人での関節への効果については十分に評価されていないため、疾患に罹患していない成人がN-アセチルグルコサミンを摂取した際にそうでない食品に比べ膝関節の機能が改善されるか検証した。
4.レビュー対象とした研究の特性
焼津水産化学工業株式会社社員3名が、目的に沿った論文を検索し、機能性を評価した。具体的には、以下の通りである。
・被験者は、ひざ関節に痛みや違和感を持つ健康な成人であること
・試験は、N-アセチルグルコサミン入り食品摂取群(試験群)と含まない食品摂取群(プラセボ群)の2つに被験者を無作為に割付け、被験者と結果の評価者がともに誰がどちらを摂取したかわからないようにして比較した試験であること。
・N-アセチルグルコサミン摂取量は、500mg以内であること
・機能性は、関節軟骨の機能で評価していること
5.主な結果
2名の評価者で検索した論文を上記の条件に合致するか評価した結果、論文2報が条件に合致していることを確認した。これらの論文では、ひざ関節に痛みや違和感を持つ健常成人男女に対し、N-アセチルグルコサミン300mgを含むハードカプセルまたはN-アセチルグルコサミン500mgを含む錠剤を12週間摂取させた結果、膝関節機能の指標であるJOAスコアおよび関節軟骨代謝がプラセボ群と比べ改善したことから、N-アセチルグルコサミンを12週間摂取すると、膝関節の機能が改善されると考えられる。
6.科学的根拠の質
未発表のデータの存在は否定できないものの、主要なデータベースにより調査したため漏れがある可能性は低いと考えられる。また、上記論文には、各群への被験者の割付方法及び割付内容の試験実施者への隠し方についての記載が不十分で、評価結果には偏りが生じている可能性がある。対象文献が2報と少ないため、今後さらなる研究が必要と考えられる。
上記の論文は、N-アセチルグルコサミンをハードカプセルで1日あたり300mg、または錠剤で500mg摂取しており、形態や他の配合成分と摂取量について本品と一部違いがある。しかし、N-アセチルグルコサミンの吸収・代謝等に影響を与える成分はこれまで報告されていないことや1日あたり1000mg摂取した試験で同等の改善効果が認められているため、N-アセチルグルコサミンを1日当たり405mg含む本品についても、同等の機能性を発揮すると推測される。 |