●ヒドロキシクエン酸
(ア)標題
ヒドロキシクエン酸の脂肪燃焼に与える影響
(イ)目的
健常な成人において、ヒドロキシクエン酸の摂取が運動中の脂肪の燃焼を高めるか。
(ウ)背景
ヒドロキシクエン酸は、クエン酸の誘導体であり、主な機能性としては、in vitroや動物などの試験で脂肪燃焼の作用が認められている。そこで、ヒドロキシクエン酸が運動中の脂肪の燃焼を高める機能を有するか、研究レビューにより検証した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
複数の研究論文のデータベースを用いて、論文を検索した。最終的に評価した論文は3報であった。
(オ)主な結果
採用論文3報は、いずれも韓国の大学生で、男子運動選手、一般男子学生、一般女子学生を対象に、二重盲検クロスオーバー比較で、エルゴメーター運動中の呼吸交換比を評価したものであった。呼吸交換比は3報すべてで介入時に有意に低下しており、脂肪の燃焼を高める効果があることが認められた。
(カ)科学的根拠の質
採用論文が3報のみのためバイアスリスクは否定できないが、文化水準が近い韓国人を対象としたプラセボ対照二重盲検ランダム化クロスオーバー試験であり、科学的根拠の質は高いと判断した。
●ヒハツ由来ピぺリン類
<脚のむくみが気になる健常な女性の夕方の脚のむくみ(病的ではない一過性のむくみ)を軽減する機能について>
(ア)標題
「ヒハツ由来ピペリン類」摂取によって、病的ではない一過性の脚のむくみを軽減する機能に関する定性的研究レビュー
(イ)目的
健康な方に対する「ヒハツ由来ピペリン類」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価した。
(ウ)背景
ヒハツは、香辛料等として利用されており、成分としてピペリン類を含む。一過性の脚のむくみの低減に役立つ報告はあるが、ヒトでの有効性を包括的に整理する研究レビューはなかった。したがって、健康な方がヒハツ由来ピペリン類を摂取した場合における病的ではない一過性の脚のむくみを軽減する効果について研究レビューを行い、その科学的エビデンスの確認を実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して論文を検索し、基準に合致した文献1報(ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験)を研究レビューの対象とした。
(オ)主な結果
上記文献は脚のむくみを自覚する健康な日本人成人女性が、ヒハツ由来ピペリン類120μg含有ヒハツ抽出物を摂取することで、プラセボを摂取した場合と比較して、むくみの評価指標である体水分に対する脚の細胞外水分の比の、座位負荷による上昇を統計学的に有意に抑制しており(p =0.013)、一過性の脚のむくみを軽減する効果が認められた。
(カ)科学的根拠の質
ヒハツ由来ピペリン類(120μg)の摂取は、病的ではない一過性の脚のむくみを軽減する機能があることが確認された。採用した文献は1報のみであり、非一貫性や出版バイアスの精査には至らなかったが、日本人対象のランダム化比較試験の報告であることから信頼性は高いと考えた。
<冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢(手)の皮膚表面温度の低下を軽減する機能について>
(ア)標題
「ヒハツ由来ピペリン類」摂取によって、冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢の皮膚表面温度の低下を軽減する機能に関する定性的研究レビュー
(イ)目的
健康な方に対する「ヒハツ由来ピペリン類」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価した。
(ウ)背景
ヒハツは、香辛料等として利用されており、成分としてピペリン類を含む。TRPV1を活性化する作用から、冷えによって低下する血流(末梢血流)や皮膚表面温度の維持に役立つと推測されるが、ヒトでの有効性を包括的に整理する研究レビューはなかった。したがって、健康な方がヒハツ由来ピペリン類を摂取した場合における冷えによる血流(末梢血流)および皮膚表面温度の低下を軽減する効果について研究レビューを行い、その科学的エビデンスの確認を実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して論文を検索し、基準に合致した文献1報(ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験)を研究レビューの対象とした。
(オ)主な結果
上記文献は健康な日本人成人女性が、ヒハツ由来ピペリン類120μg含有ヒハツ抽出物を摂取することで、プラセボを摂取した場合と比較して、冷水負荷後の末梢血流量および手(末梢)の皮膚表面温度が統計学的に有意に高くなっており(p<0.05)、冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢(手)の皮膚表面温度の低下を軽減する効果が認められた。
(カ)科学的根拠の質
ヒハツ由来ピペリン類(120μg)の摂取は、冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢(手)の皮膚表面温度の低下を軽減する機能があることが確認された。採用した文献は1報のみであり、非一貫性や出版バイアスの精査には至らなかったが、日本人対象のランダム化比較試験の報告であることから信頼性は高いと考えられた。 |