(脚のむくみが気になる健常な女性の夕方の脚のむくみ(病的ではない一過性のむくみ)を軽減する機能)
ア 標題
「ヒハツ由来ピペリン類」摂取によって、病的ではない一過性の脚のむくみを軽減する機能に関する定性的研究レビュー
イ 目的
健康な方に対する「ヒハツ由来ピペリン類」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価しました。
ウ 背景
ヒハツは、香辛料等として利用されており、成分としてピペリン類を含みます。一過性の脚のむくみの低減に役立つ報告はありますが、ヒトでの有効性を包括的に整理する研究レビューはありませんでした。したがって、健康な方がヒハツ由来ピペリン類を摂取した場合における病的ではない一過性の脚のむくみを軽減する効果について研究レビューを行いました。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して論文を検索し、基準に合致した文献1報(ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験)を研究レビューの対象としました。
オ 主な結果
上記文献は脚のむくみを自覚する健康な日本人成人女性が、ヒハツ由来ピペリン類120μg含有ヒハツ抽出物を摂取することで、プラセボを摂取した場合と比較して、むくみの評価指標である体水分に対する脚の細胞外水分の比の、座位負荷による上昇を有意に抑制する機能が認められていました。
カ 科学的根拠の質
ヒハツ由来ピペリン類(120μg)の摂取は、病的ではない一過性の脚のむくみを軽減する機能があることが確認されました。採用した文献は1報のみであり、非一貫性や出版バイアスの精査には至りませんでしたが、日本人対象のランダム化比較試験の報告であることから信頼性は高いと考えられました。
(冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢(手)の皮膚表面温度の低下を軽減する機能)
ア 標題
「ヒハツ由来ピペリン類」摂取によって、冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢の皮膚表面温度の低下を軽減する機能に関する定性的研究レビュー
イ 目的
健康な方に対する「ヒハツ由来ピペリン類」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価しました。
ウ 背景
ヒハツ由来ピペリン類の摂取がTRPV1を活性化する作用から、冷えによって低下する血流(末梢血流)や皮膚表面温度の維持に役立つと推測されますが、ヒトでの有効性を包括的に整理する研究レビューはありませんでした。したがって、健康な方がヒハツ由来ピペリン類を摂取した場合における冷えによる血流(末梢血流)および皮膚表面温度の低下を軽減する効果について研究レビューを行いました。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して論文を検索し、基準に合致した文献1報(ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験)を研究レビューの対象としました。
オ 主な結果
上記文献は健康な日本人成人女性が、ヒハツ由来ピペリン類120μg含有ヒハツ抽出物を摂取することで、プラセボを摂取した場合と比較して、冷水負荷後の末梢血流量および手(末梢)の皮膚表面温度が有意に高くなっており、冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢(手)の皮膚表面温度の低下を軽減する効果が認められていました。
カ 科学的根拠の質
ヒハツ由来ピペリン類(120μg)の摂取は、冷えにより低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢(手)の皮膚表面温度の低下を軽減する機能があることが確認されました。採用した文献は1報のみであり、非一貫性や出版バイアスの精査には至りませんでしたが、日本人対象のランダム化比較試験の報告であることから信頼性は高いと考えられました。
(BMIが高めの方の腹部の脂肪とウエスト周囲径を減らす機能)
ア 標題
3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)による、BMI が高めの健康な方の腹部脂肪とウエスト周囲径の減少に及ぼす効果:メタアナリシスを含むシステマティック・レビュー
イ 目的
BMI が高めの健康な方が3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)を継続摂取した場合の腹部の脂肪とウエスト周囲径に及ぼす影響に関する有効性を検証しました。
ウ 背景
肥満は多くの疾病に深くかかわることから、健康の維持・増進のために過剰な脂肪の増加を抑制することが望ましいと考えられます。
これまでの研究により、抗肥満効果にHMPAが作用すると報告されていることから、HMPAの摂取と腹部の脂肪に与える影響に関して、本レビューを実施しました。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して英語及び日本語の文献を検索し、基準に該当したランダム化比較試験の文献2報を採用しました。採用文献は健康な20歳以上を対象に、日本で実施された試験で、HMPAを含む被験食品を摂取し、対照食品の摂取を対照としていました。
オ 主な結果
腹部の脂肪とウエスト周囲径に及ぼす影響において、HMPAを1日あたり23mg摂取することで、腹部の脂肪(内臓脂肪面積)およびウエスト周囲径の減少が認められました。
カ 科学的根拠の質
HMPAを含む食品を摂取することで、腹部の脂肪(内臓脂肪面積)およびウエスト周囲径を減少する、肯定的な結果が得られました。この結果は、糖や脂肪を消費しやすくする作用によるエネルギー調節機能に基づくと考えられました。これらの結果から、HMPAを1日あたり23mgの継続摂取により、腹部の脂肪とウエスト周囲径を減らす機能が期待できると考えられました。ただし、評価した文献が2報で、バイアス・リスクや出版バイアスが否定できませんでした。そのため、今後の研究が進むことが望まれます。
(食後血糖値が高めの方の食後に上昇した血糖値を下げる機能)
ア 標題
3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)による、食後に上昇する血糖値に及ぼす影響に関する定性的研究レビュー
イ 目的
健康な方が3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸(HMPA)を継続摂取した場合の食後に上昇する血糖値に及ぼす影響に関する有効性を検証しました。
ウ 背景
すい臓から分泌されるインスリンが、何らかの要因で分泌量が低下したり、インスリン分泌量は十分であるものの、各臓器・組織のインスリン感受性が低下したりすると、血糖値が高い状態になることが知られています。食後に上昇する血糖値を元に戻しやすくすることは健康の維持・増進のために望ましいと考えられます。
これまでの研究により、食後に上昇する血糖値にHMPAが作用すると報告されていることから、HMPAの摂取と食後に上昇する血糖値に与える影響に関して、本レビューを実施しました。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して英語及び日本語の文献を検索し、基準に該当したランダム化比較試験の文献1報を採用しました。採用文献は健康な20歳以上を対象に、日本で実施された試験で、HMPAを含む被験食品を摂取し、対照食品の摂取を対照としていました。
オ 主な結果
食後に上昇する血糖値に及ぼす影響において、HMPAを1日あたり23mg摂取することで、2時間血糖値において有意に低値であり、食後血糖値の低減効果が認められました。
カ 科学的根拠の質
HMPAを含む食品を摂取することで、2時間血糖値において有意に低値になることが報告されていました。この結果は、糖を消費しやすくする作用によるエネルギー調節機能に基づくと考えられました。これらの結果から、HMPAを1日あたり23mgの継続摂取により、食後に上昇する血糖値を元に戻しやすくする機能が期待できると考えられました。限界として、採用文献が1報であるなどバイアス・リスクや出版バイアスが否定できませんでした。今後さらなる臨床研究が進むことが期待されます。 |