該当する評価する機能性の項目「起床時の疲労感や眠気を軽減」
(ア)標題
L-テアニンの摂取は睡眠の質を改善すると考えられます。
(イ)目的
健常者成人に機能性関与成分L-テアニン200mgを就寝前に摂取させると、プラセボ摂取の場合と比べ睡眠の質が改善するかについて、起床時の昨夜の睡眠に関するアンケートや睡眠中の生理学的指標について検証しました。
(ウ)背景
L-テアニンの睡眠改善効果について、個々の文献では報告されているものの、それらを網羅的に評価された文献はなかったため、L-テアニンが夜間睡眠の質を改善するかを結論付けることは出来ませんでした。そこで、検証が必要となりました。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
英語文献検索には、Pubmed(検索対象期間:1971年~2018年8月23日)、Cochrane Library(1997年~2018年9月13日)のデータベースを用いPubmedは2018年8月23日に、Cochrane Libraryは2018年9月13日に検索を実施しました。また、日本語文献は、JSTPlus(検索対象期間:1981年~2018年8月14日)、JMEDPlus(1981年~2018年8月14日)、JST7580(1975年~1980年12月8日)のデータベースを用い2018年8月21日に検索を実施しました。検索対象は、健常な成人の集団とし、L-テアニンを摂取しない群と比較した試験デザインであることとしました。その結果、最終的に3報の文献を評価しました。これらの文献のうち2報は原料を販売している企業と大学研究機関との共同研究、1報は原料の提供はあるが大学研究機関が独自で実施した研究の結果です。
(オ)主な結果
評価した3報の結果をまとめ、統計的に解析した結果、L-テアニン摂取により、起床時のアンケート調査のうち「疲労回復」、「眠気」の改善については強い関連性が、「夢み」、「睡眠時間延長感」の改善については中程度の関連性がみられました。また、生理学的指標のひとつである睡眠中の交感神経活動の抑制についても中程度の関連性がみられました。これらの指標は、日本人(成人)で標準化された「OSA睡眠調査票(MA版)」の評価項目に含まれていることから日本人の睡眠の質を評価するのに適しているといえ、「疲労回復」と「眠気」の改善に強い関連性がみられたことは良質な睡眠がもたらされたことを示しています。以上より、就寝前にL-テアニンを摂取することは、起床時の疲労感や眠気を軽減し、睡眠の質を改善すると考えられました。
(カ)科学的根拠の質
選定された文献が3報でしたので出版によるバイアスの評価に至りませんでした。正確性の評価に関してはサンプルサイズが少ないため考慮が必要とされました。エビデンスの一貫性などに特に問題は認められず、エビデンス総体の質はおおむね良好と考えています。
該当する評価する機能性の項目「ストレスをやわらげる」
(ア)標題
L-テアニンの摂取はストレスを緩和する機能が考えられます。
(イ)目的
健常成人に機能性関与成分L-テアニン200mgをストレス負荷前に摂取させると、プラセボ摂取の場合と比べてストレスをやわらげる機能があるかについて、精神的なストレス負荷におけるストレス感のアンケートや生理学的指標について検証しました。
(ウ)背景
L-テアニンのストレスを緩和する機能について、個々の文献では報告されているものの、それらを網羅的に評価された文献はなかったため、L-テアニンがストレスを緩和する機能があるか結論付けることはできませんでした。そこで、検証が必要となりました。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
英語文献検索には、Pubmed(検索対象期間:1971年~2018年8月23日)、Cochrane Library(1997年~2018年9月18日)のデータベースを用いPubmedは2018年8月23日、Cochrane Libraryは2018年9月18日に検索を実施しました。日本語文献は、JSTPlus(検索対象期間:1981年~2018年8月14日)、JMEDPlus(1981年~2018年8月14日)、JST7580(1975年~1980年12月8日)のデータベースを用い2018年8月21日に検索を実施しました。検索対象は、健常な成人の集団とし、L-テアニンを摂取しない群と比較した試験デザインであることとしました。その結果、最終的に3報の文献を評価しました。これらの文献2報は原料を販売している企業と大学研究機関との共同研究、1報は原料の提供はあるが大学研究機関が独自で実施した研究の結果です。
(オ)主な結果
評価した3報の結果をまとめ、統計学的に解析した結果、ストレス負荷がかかった状況でL-テアニンを摂取することにより、ストレス評価指標の項目のうち、主観評価である「STAI」「Subjective stress: VAS」についてはL-テアニン摂取と強い関連性が、客観的評価である「唾液のストレスマーカー(sIgA、アミラーゼ)」および自律神経系の「心拍数」「拡張期血圧」については強い関連性、また「収縮期血圧」についても弱いながらも関連性が見られました。つまり、これらの指標において効果がみられたことは、L-テアニンの摂取によりストレスをやわらげることを示しています。以上により、L-テアニンの摂取は、一過性の作業にともなうストレスをやわらげる機能があると考えられました。
(カ)科学的根拠の質
選定された文献が3報でしたので出版によるバイアスの評価には至りませんでした。正確性の評価に関してはサンプルサイズが少ないため考慮が必要とされました。エビデンスの一貫性などには特に問題は認められず、エビデンス総体の質はおおむね良好と考えています。
該当する評価する機能性の項目「認知機能の一部である言語流暢性をサポートする」
(ア)標題
L-テアニンの摂取は認知機能の一部である言語流暢性(言語情報を適切に素早く数多く思い出す力)が低めの方の言語流暢性をサポートすると考えられます。
(イ)目的
言語流暢性が低めの健常者を対象として、機能性関与成分L-テアニンを200mg/日摂取することにより、プラセボ摂取の場合と比べ認知機能の一部である言語流暢性が維持されるかについて検証しました。
(ウ)背景
L-テアニンの言語流暢性について網羅的に評価されている文献はなかったため、L-テアニンの摂取により言語流暢性が維持されるか結論付けることはできませんでした。そこで、検証が必要となりました。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
英語文献の検索はPubmed(検索対象期間:1971年~2020年2月6日)、のデータベースを用い2020年2月6日に検索を実施しました。日本語文献の検索はJSTPlus(検索対象期間:1981年~2020年3月10日)、JMEDPlus(1981年~2020年3月10日)、JST7580(1975年~1980年12月8日)のデータベースを用い2020年3月13日に検索を実施しました。また、臨床検査登録の検索はUMIN-CTR(掲載~2020年2月26日)のデータベースを用い2020年2月26日に検索を実施しました。検索対象は、健康な国内外の成人男女の集団とし、L-テアニンを摂取しない群と比較した試験デザインであることとしました。その結果、最終的に1報の文献を評価しました。この文献は原料を販売している企業と大学研究機関との共同研究で実施した研究の結果です。
(オ)主な結果
被験物質摂取前の言語流暢性の評価点数が中央値より低い人(言語流暢性が低めの方)を対象に解析された結果では、摂取終了日には対照群に対してL-テアニン摂取群で有意に言語流暢性スコアの向上が認められました。従って、L-テアニンの摂取は言語流暢性が低めの方の言語流暢性をサポートする機能が期待できると考えられました。本試験における費用はL-テアニンの原料供給会社である太陽化学株式会社が負担し、その他に特筆すべき利益相反はありません。
(カ)科学的根拠の質
研究の限界として被験者数が少ないことがあげられますが、本試験は無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験にて実施されており、信頼性は高いと考えられます。 |