【EPA・DHA】
ア.標題:
EPA・DHAの経口摂取による中性脂肪値低下作用に関する研究レビュー
イ.目的:
誰に P):疾病に罹患していない者および中性脂肪値がやや高めの者
何をすると I):EPA・DHAの経口摂取
何と比較して C):プラセボの摂取、もしくはEPA・DHAの介入なし
どうなるか O):中性脂肪値の低下が認められるか
研究デザイン S):ランダム化比較試験(RCT)
ウ.背景:
EPA・DHAの経口摂取による中性脂肪値を低下させる機能については多数の報告があるが、疾病に罹患していない者および中性脂肪値がやや高めの者に限定した場合における有効性は明確でなかった。そこで、これまでの国内外の知見を精査し、標題の研究レビューを行った。
エ.レビュー対象とした研究の特性:
文献の検索は、RCT(研究の対象者をランダムに2つのグループに分け、一方には評価しようとするものを摂取させ、もう一方には対照となるものを摂取させて比較する臨床試験)であること、EPA・DHAを摂取させる試験であること、疾病に罹患していない者および中性脂肪値がやや高めの者を対象としていることを条件に実施した。なお本研究レビューは、届出者以外の第三者機関が監修した。
オ.主な結果:
検索により37報が研究レビューの対象となり、疾病に罹患していない者を対象とした16報のうち10報、中性脂肪値がやや高めの者を対象とした21報のうち15報が、当該の機能性を認めていた。
また、群間比較において当該機能を認めた報告において、1日当たりのEPA・DHAの摂取量は133~10,440 mg、摂取期間は3~14週間であった。
本製品は1日当たりの摂取目安量中にDHAとEPAの総量として300mg含むため、当該機能に対する有効性が期待できるものと判断した。
カ.科学的根拠の質:
採用文献のエビデンス(科学的根拠)総体について、バイアスリスク(偏りの危険性)は低(0)、エビデンスの強さは強(A)と評価した。なお、日本で実施された研究6報のうち、4報が当該の機能性を肯定しており、日本人への外挿性に問題はないと考えられる。よって、機能性関与成分EPA・DHAを1日当たり133 mg以上摂取することにより、中性脂肪を低下させる機能が認められると考えられる。
ただし、本研究レビューの限界として、サンプリングバイアス(被験者の偏り)や言語バイアス(英語と日本語のキーワードのみで検索を行ったことによる偏り)が完全には否定できないことが挙げられる。
【ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン】
【腹部の脂肪を減らす機能に関する研究レビュー】
ア 標題
「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取による、腹部の脂肪に与える影響に関する研究レビュー
イ 目的
健康な方に対する「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価した。
ウ 背景
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの脂肪に対する影響に関して、培養ヒト細胞を用いたin vitro実験や、マウスを用いた動物実験では、脂肪の分解を促進する作用があるという研究報告がある。しかし、ヒトを対象とした、脂肪に対する影響を評価した文献を包括的に整理する研究レビューでは、脂肪に対する影響について評価したものはなかった。今回、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを継続して摂取することによる、腹部の脂肪に与える影響について検証を行った。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して英語及び日本語の文献を検索し、基準に合致した文献2報(ランダム化比較試験)を採用した。採用文献はいずれも、20-64歳の、BMIが高めの健康な日本人成人男女を参加者とした試験で、解析対象者に脂質異常・高血糖・高血圧に該当する参加者は含まれていなかった。
※BMIはBody Mass Indexのことで、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出される。BMI23以上30未満の範囲をBMIが高めと想定した。
オ 主な結果
採用文献2報から、健康な参加者がブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり12 mg含む食品を12週間継続して摂取することで、含まない食品を摂取した場合と比較して、腹部の脂肪面積が有意に減少していることが確認された。
カ 科学的根拠の質
評価した文献が2報のため出版バイアスについて否定できないものの、いずれの文献も日本人を対象としたランダム化比較試験であり、予め設定された試験計画に沿って試験が実施されており、信頼できる研究であると考えられた。よって、採用文献のブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり12mg継続して摂取することによって、腹部の脂肪を減らす機能が認められたという結果は信頼できる科学的根拠に基づいていると考えられ、届出製品でも同様の機能が期待できると考えられる。
【脂肪を消費しやすくする機能に関する研究レビュー】
ア 標題
「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取による、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪を消費しやすくする機能性に関する研究レビュー
イ 目的
健常者に対する「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価した。
ウ 背景
依然として肥満を低減することは重要な課題であり、肥満低減には代謝機能を改善し、体脂肪を消費することが重要である。日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪の消費を高めることは肥満の予防に役立つと考えられえる。
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの脂肪消費に関する研究報告はあるが、包括的に整理する研究レビューはなかった。
エ レビュー対象とした研究の特性
国内外のデータベースを使用して論文を検索し、基準に合致した文献1報(ランダム化比較試験)を研究レビューの対象とした。なお、本文献は丸善製薬株式会社が費用負担した研究であった。
オ 主な結果
上記文献はブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgの摂取による、日常活動時の呼吸商を評価しており、呼吸商の有意な低下が認められていた。呼吸商はエネルギー代謝における脂肪と糖の消費割合を示すことから、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12mgには、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪を消費しやすくする機能を有する可能性が考えられた。
カ 科学的根拠の質
採用した文献は1報のみであったため、定性的な研究レビューを実施した。そのため、言語および定量性に関して研究の限界があるため、今後の研究結果が本研究レビューの結果に影響を与える可能性がある。今後の研究に注視することが必要ではあるが、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン12 mgの摂取は、日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪を消費しやすくする機能に対する有効性に一定の根拠があると判断した。 |