◆ターミナリアベリリカ由来没食子酸
【A: 食後の中性脂肪に及ぼす影響】
1 標題
ターミナリアベリリカ由来没食子酸による食後中性脂肪に及ぼす影響
2 目的
健常成人におけるターミナリアベリリカ由来没食子酸の摂取が、プラセボ(偽薬)と比較して、食事の脂肪の吸収を抑えて、食後中性脂肪の上昇を抑える機能を有するか検証することを目的とした。
3 背景
ターミナリアベリリカ由来没食子酸は脂肪分解酵素の阻害作用を有し、その作用により食後中性脂肪の上昇を抑制するとの報告があり、ターミナリアベリリカ由来没食子酸の食後中性脂肪の上昇を抑える機能について総合的に評価するため、研究レビューを実施した。
4 レビュー対象とした研究の特性
健常成人(空腹時中性脂肪150mg/dL未満)または中性脂肪がやや高め(空腹時中性脂肪150mg/dL以上200mg/dL未満)の方を対象に、ターミナリアベリリカ由来没食子酸摂取による食後血中中性脂肪曲線下面積(AUC)または食後血中中性脂肪推移への影響を、プラセボと比較した論文を評価対象とした。文献検索し、論文の内容を精査したところ、採用論文は1報となった。
※曲線下面積(AUC):吸収量を反映する指標として知られている
5 主な結果
採用論文は1報のみであったが、無作為化二重盲検プラセボ対照試験という信頼性の高い研究であった。
健常成人男女を対象とし、高脂肪食(ラード・バター入りコーンクリームポタージュ及びプレーンベーグル)摂取前にターミナリアベリリカ由来没食子酸20.8 mg/回または31.4 mg/回を摂取させた結果、プラセボ摂取と比較して、高脂肪食摂取後の血中中性脂肪変化量AUC及び血中中性脂肪変化量の有意な抑制が認められた。
6 科学的根拠の質
健常成人において、ターミナリアベリリカ由来没食子酸20.8 mg/回の摂取が、食事の脂肪の吸収を抑えて、食後中性脂肪の上昇を抑える機能を有することが示された。ただし、本研究の限界として、採用論文中の記載内容に不十分な点があったことに加え、出版されていない未公表研究がある可能性も否定できないことから、情報の偏りがある疑いは否定できない。また、採用論文が1報のみであったため、今後の研究の注視が必要である。
【B: 食後の血糖値に及ぼす影響】
1.標題
ターミナリアベリリカ由来没食子酸による食後血糖値に及ぼす影響
2.目的
健常成人におけるターミナリアベリリカ由来没食子酸の摂取が、プラセボ(偽薬)と比較して、食事の糖の吸収を抑えて、食後血糖値の上昇を抑える機能を有するか検証することを目的とした。
3.背景
ターミナリアベリリカ由来没食子酸は糖質分解酵素の阻害作用を有し、その作用により食後血糖値の上昇を抑制するとの報告があり、ターミナリアベリリカ由来没食子酸の食後血糖値の上昇を抑える機能について総合的に評価するため、研究レビューを実施した。
4.レビュー対象とした研究の特性
健常成人を対象に、ターミナリアベリリカ由来没食子酸摂取による食後血糖(評価指標:食後血糖AUC)への影響を、プラセボと比較した論文を評価対象とした。文献検索し、論文の内容を精査したところ、採用論文は1報となった。
※曲線下面積(AUC):吸収量を反映する指標として知られている
5.主な結果
採用論文は1報のみであったが、無作為化二重盲検プラセボ対照試験という信頼性の高い研究であった。
健常成人男女を対象とし、米飯食摂取前にターミナリアベリリカ由来没食子酸20.8 mg/回を摂取させた結果、プラセボ摂取と比較して、食後血糖変化量AUCの有意な抑制が認められた。
6.科学的根拠の質
健常成人において、ターミナリアベリリカ由来没食子酸20.8 mg/回の摂取が、食事の糖の吸収を抑えて、食後血糖値の上昇を抑える機能を有することが示された。ただし、本研究の限界として、出版されていない未公表研究がある可能性も否定できないことから、情報の偏りがある疑いは否定できない。また、採用論文が1報のみであったため、今後の研究の注視が必要である。
◆GABA
1.標題
GABAの摂取が血圧に及ぼす影響について
2.目的
血圧が正常又は血圧が高め(※1)の日本人及びⅠ度高血圧(※2)の日本人が、8週間以上GABAを含む食品を経口摂取した場合と、GABAを含まない食品を摂取した場合で、血圧に違いがあるか検証することを目的とした。
3.背景
GABAには血圧抑制効果があることが一般的に知られている。GABA配合の機能性表示食品を販売するにあたり、改めてGABA配合食品の血圧に及ぼす効果について検証するため、本研究レビューを行った。
4.レビュー対象とした研究の特性
2015年3月16日(検索日)までに公開された論文のうち、血圧が正常又は血圧が高めの日本人及びⅠ度高血圧の日本人が、8週間以上GABAを含む食品を経口摂取した時の血圧の違いを評価している研究を検索対象とした。内容を精査し、15研究を評価対象とした。
5.主な結果
収縮期血圧及び拡張期血圧を主な指標として評価した。これらの指標は、心臓が収縮した時の血圧(最高血圧)及び心臓が拡張した時の血圧(最低血圧)を表し、血圧の状態を評価する適切な指標と言える。その結果、血圧が正常又は血圧が高めの日本人及びⅠ度高血圧の日本人に対し、GABAを含んだ食品はGABAを含まない食品と比較して血圧を抑制する効果が認められた。また、血圧が高め(正常高値血圧)の被験者のみを対象とした評価でもGABAの効果が認められ、血圧が正常な被験者のみを対象とした評価では、効果は認められず、正常な血圧を維持していた。
6.科学的根拠の質
GABAの摂取は、血圧が高め(正常高値血圧)の日本人及びⅠ度高血圧の日本人に対して血圧を下げる効果を有し、正常血圧者に対しては影響を与えず、正常な血圧を維持することが示唆された。
但し、本研究における限界として、出版バイアス(※3)が不明であり、効果の認められなかった研究が報告されていないリスクがある。
(※1)正常高値血圧(収縮期血圧130~139 mmHg又は拡張期血圧85~89 mmHg)
(※2)収縮期血圧140~159 mmHg又は拡張期血圧90~99 mmHg
(※3)肯定的な研究結果がそうでない研究結果に比べて出版されやすいために起こる結果の偏りのこと。 |