安全性 |
当該製品「ルテイン ルンルン ほうれん草」は、ほうれん草100%のブランチング冷凍加工品である。
ほうれん草の原産地は、中央アジアから西アジアで、初めて栽培されたのはペルシア地方(現在のイラン)と考えられている。ヨーロッパには中世末期にアラブから持ち込まれ、東アジアにはシルクロードを通って広まり、7世紀頃に中国へ、日本には江戸時代初期(17世紀)頃に入ってきたといわれている。「ほうれん」とは中国語のペルシアのことである。東洋種と西洋種があり、昼の長さが長いと、花芽ができて花茎が伸び、味が落ちるので、北ヨーロッパでは昼の長い時期でも花茎が伸びにくい、春~夏まき用の西洋種が生まれた。現在、市場をほぼ独占しているのは一代雑種(剣葉系と丸葉系)である。
ホウレンソウの2013年度の生産量は、中国が21,067,800 tで圧倒的に多く、次にアメリカ336,200 tである。日本では約250,000 t生産されており、一番多いのは千葉県で34,300 t、埼玉県26,100 t、群馬県19,800 t、宮崎県18,200 t、茨城県16,300 tと関東が多い。生ものはほぼ自給しているが、冷凍ものが約20,000 t輸入されている。2014年の家計調査では、購入量は葉茎野菜の中で、キャベツ、はくさい、もやし、レタス、ねぎ、ブロッコリーについで7番目、購入金額は4番目であった。ホウレンソウは世界中で古くから食され、日本でも100年以上食されており、食経験は十分であると考えられる。
このことから世界的なレベルでの長い期間の喫食実績があり、その安全性は自明である。
「ルテイン ルンルン ほうれん草」は2015年から「飛騨美濃産ほうれん草」
の名称で2015年より本格販売しており、販売エリアは全国規模になっている。
これまでに、当該商品に対する、消費者からの健康被害情報などの連絡は一切ありません。
以上の食経験からも、本品の安全性には問題が無いと判断している。 |
機能性 |
【標題】
「ルテイン ルンルン ほうれん草」に含まれる機能性関与成分ルテインの継続的な摂取による網膜(黄斑部)色素の増加に関する研究レビュー
【目的】
本研究レビューでは、健常者においてルテインを含む食品の継続的な摂取が、対照と比較して網膜(黄斑部)の色素量を増加させるかを検証するため、定性的研究レビューを実施した。
【背景】
ルテインなどの網膜色素は、網膜の中心に位置する黄斑部に存在しその抗酸化作用と青色光吸収作用により、光の刺激から目を保護し視機能の維持など目の健康維持に寄与すると考えられる。高齢者の失明原因の一つである黄斑変性症の患者の黄斑色素密度(網膜色素量の評価指標)は健常者より低く、健常者においても加齢に伴い低下するとの報告もある。しかし、ルテインは生体内で合成できないため、外部から摂取することで、視機能を維持する重要な役割を担っているとされてきたが、健康な人を対象としたルテインの黄斑色素光学濃度及び視機能の維持について効果を評価した総合的な研究は報告されていない為、研究レビューを行った。
【レビュー対象とした研究の特性】
3つのデータベース(PubMed、JDreamⅢ、医中誌Web)より文献検索を実施した(最終検索日2017年9月13日)。その結果、計6報の文献が検索され、最終的にそれらの6報の文献を評価した。
【主な結果】
今回採用された6報の内5報で効果ありと報告があり、ルテインの10mg以上/日の継続的な摂取は、「網膜(黄斑部)色素の増加」に対してtotal of evidenceの観点から科学的根拠(エビデンスの強さ:B)を有しており、表示しようとする機能性として「本品にはルテインが含まれています。ルテインは、光による刺激から目を保護するとされる網膜(黄斑部)色素を増加させることが報告されています。」は適切であると考えられた。
【科学的根拠の質】
今回採用された6報は、バイアスリスク、アウトカムにおいて限界となる項目はなかったが、対象者の性別や年齢、介入等が異なっており、出版バイアスと資金提供によるバイアスリスクについては否定できない。しかし、すべての研究はで黄斑色素光学密度又は黄斑色素レベルの増加は認められたため、信憑性は高いと考えられる。
文献収集は、主要なデータベース及びUMIN-CTRを用い、公開されている研究はほぼ網羅されたと考えられるが、未発表研究が存在する可能性は否定できず、今後の研究動向を注視していく必要がある。 |