(1)肌に及ぼす機能の検証
【標題】
コラーゲンペプチドを含む飲料の摂取が肌に及ぼす機能の検証
【目的】
肌の乾燥の悩みがある健常な成人男女が、コラーゲンペプチドを10g含有する飲料を8週間連続摂取させた時の肌へ与える影響を検討した。
【背景】
今までにコラーゲン加水分解物の摂取による肌に対するヒトでの機能試験報告はいくつかあるが、機能が確認されたという報告もあれば否定する報告もあり、その機能性について結論は出ていない。そこで今回、アミノ酸組成、分子量分布、製造方法といった定性的な特徴を特定したコラーゲンペプチドを含む飲料を摂取することで、肌の潤い(水分)に関する項目についてどのような機能性を示すか検証した。
【方法】
試験参加に同意し、肌の乾燥に悩みはあるが皮膚疾患を含む慢性身体疾患がないと試験責任医師が判断した健常な30歳以上60歳未満の男女36名を試験の対象者とした。角質水分量と経皮水分蒸散量を基準に偏りがないようランダムに15名ずつの2群に分け、一方は試験飲料(機能性関与成分としてコラーゲンペプチドを10 g含む)を、もう一方はコラーゲンペプチドを含まない以外は同一の成分を含むプラセボ飲料を1日1本(125ml)、毎日8週間摂取した。有効性解析対象者30名の経皮水分蒸散量について摂取前、摂取8週目に測定し、2群間で比較した。なお、経皮水分蒸散量とは、肌の角層から揮発する水分量を測定したものである。
【主な結果】
摂取前から摂取8週後の経皮水分蒸散量の変化量について、群間比較した結果、10gのコラーゲンペプチド含有飲料摂取群ではプラセボ飲料摂取群と比べて有意に蒸散量の上昇が改善された。
【科学的根拠の質】
本臨床試験は、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験により実施したため、結果の信頼性は高いと考えられる。試験実施費用については、森永製菓株式会社が負担した。その他に特筆すべき利益相反はない。
(2)膝関節に及ぼす機能の検証
【標題】
コラーゲンペプチドを含む飲料の摂取が膝関節に及ぼす機能の検証
【目的】
膝関節に自覚症状はあるが、治療を要しない健常な成人男女がコラーゲンペプチドを含む飲料を12週間摂取することで、膝関節の機能に改善効果があるか検証した。
【背景】
今までにコラーゲン加水分解物の摂取による膝関節に対するヒトでの機能試験報告はいくつかあるが、機能が確認されたという報告もあれば否定する報告もあり、その機能性について結論は出ていない。そこで今回、アミノ酸組成、分子量分布、製造方法といった定性的な特徴を特定したコラーゲンペプチドを含む飲料を摂取することで、膝関節に関する様々な項目(自覚症状、専門医による所見、運動機能など)についてどのような機能性を示すか検証した。
【方法】
膝関節に自覚症状はあるが整形外科等で治療を受けていない、かつ直ちに治療の必要性がないと医師が判断し試験参加の同意が得られた40歳以上60歳未満の男女30名を試験の対象者とした。JKOM(日本版変形性膝関節症患者機能評価書)スコアを基準に偏りがないようランダムに15名ずつの2群に分け、一方は試験飲料(機能性関与成分としてコラーゲンペプチドを10 g含む)を、もう一方はプラセボ飲料を1日1本(125ml)、毎日12週間摂取した。有効性解析対象者26名の評価は、膝関節に関する自覚症状、専門医による所見、運動機能などについて摂取前、摂取12週目に測定し、2群間で比較した。
【主な結果】
コラーゲンペプチド10 gを含む飲料を摂取した群の方がプラセボ飲料を摂取した群よりも、膝関節の自覚症状に起因する外出等のふだんの活動の制限が緩和されたことが確認された。
【科学的根拠の質】
本臨床試験は、プラセボ対照二重盲検クロスオーバー法により実施したため、結果の信頼性は高いと考えられる。試験実施費用については、森永製菓株式会社が負担した。その他に特筆すべき利益相反はない。
(3)骨の形成に及ぼす機能の検証
【標題】
コラーゲンペプチドを含む飲料の摂取が骨の形成に及ぼす機能の検証
【目的】
骨の健康が気になる健常な成人男女がコラーゲンペプチドを含む飲料を12週間摂取した時の、骨代謝マーカーに改善効果があるか検証した。
【背景】
骨に対するコラーゲンの影響に関しても、骨芽細胞において骨芽細胞分化マーカー酵素の活性を上昇させ、骨芽細胞分化のマスター遺伝子発現を上昇させることが明らかにされている。また、骨密度低下モデル動物において、コラーゲンペプチドと低カルシウム食を同時に与えると、通常のカルシウム食と同程度まで骨密度が改善することが報告されている。しかし、ヒトの骨代謝に関する知見はほとんどない。そこで、今回、骨の健康が気になる健常な中高齢男女を対象とし、豚皮由来のコラーゲンペプチド含有飲料を12週間連続摂取させた時の骨代謝マーカーへ与える影響を検証し、骨の健康にどのような機能性を示すか検証した。
【方法】
試験参加の同意が得られた50歳以上72歳未満の骨の健康が気になる健常成人男女24名を試験の対象者とした。ランダムに2群に分け、一方は試験飲料(機能性関与成分としてコラーゲンペプチドを10 g含む)を、もう一方はプラセボ飲料を1日1本(125ml)、毎日12週間摂取した。有効性解析対象者24名の評価は、血中及び尿中の各種骨代謝マーカーについて摂取前、摂取12週目に測定し、2群間で比較した。
【主な結果】
コラーゲンペプチド10 gを含む飲料を摂取した群の方がプラセボ飲料を摂取した群よりも、空腹時血中骨形成マーカー指標である骨型アルカリホスファターゼ(bone specific alkaline phosphatase:BAP)の変化量が有意に高かったことが確認された。
【科学的根拠の質】
本臨床試験は、プラセボ対照二重盲検クロスオーバー法により実施したため、結果の信頼性は高いと考えられる。試験実施費用については、森永製菓株式会社が負担した。その他に特筆すべき利益相反はない。
(構造化抄録) |