【中性脂肪】
ア.標題:
DHA・EPAの「中性脂肪低下作用」に関する研究レビュー
イ.目的:
リサーチクエスチョン:疾病に罹患していない者および中性脂肪値がやや高めの者に、DHA・EPAを摂取させることは、プラセボ摂取もしくはDHA・EPAの介入なしの場合と比較して、中性脂肪値を低下させるか?
P(対象者) :疾病に罹患していない者(中性脂肪値が正常域にある者)および中性脂肪値がやや高め(150~199 mg/dL (1.69~2.25 mmol/L))の者
I(介入) :DHA・EPAの経口摂取
C(比較) :プラセボ摂取もしくはDHA・EPAの介入なし
O(アウトカム) :中性脂肪値
S(研究デザイン) :ランダム化比較試験(RCT)および準RCT
ウ.背景:
DHA・EPAが中性脂肪値に与える影響については数多くの報告があるが、疾病に罹患していない者および中性脂肪値がやや高めの者に着目してまとめたレビューは限られている。そこで、これまでの国内外の知見を精査し、表題の研究レビューを行った。
エ.レビュー対象とした研究の特性:
検索は、RCTおよび準RCT、DHA・EPAを用いた試験、対象は疾病に罹患していない者および中性脂肪値がやや高めの者であることを条件に実施した。
オ.主な結果:
本研究レビューでは、37報を定性的なデータ評価の対象とした。その結果、25報がDHA・EPAの摂取による中性脂肪値の低下を認めていた。
これらの報告のうち21報は、試験前の中性脂肪値がやや高めの者が含まれると推察されたため、それらを除いた16報(疾病に罹患していない者のデータのみを対象とした報告)について評価を行った結果、10報が効果を認めていた。また、群間比較において効果を認めた報告における1日当たりのDHA・EPAの摂取量は133~10,440 mgで、摂取期間は3~14週間であった。
試験は日本を含む世界各地域で実施され、対象者の性別、年齢や人種などは様々であった。また、DHA・EPAは様々な食品形態で摂取されていた。これら対象者や摂取の種類に関わらず効果が認められていた。
当該製品は摂取目安量(6粒/日)中にDHA790mg、EPA70mgを含み、DHA・EPA合計摂取量は860mgである。したがって、本製品は中性脂肪低下作用が期待できるものと判断した。
カ.科学的根拠の質:
バイアスリスク・非直接性・不精確・非一貫性等についての定性的評価の結果、いずれも問題なく、エビデンスの強さは「A」であった。したがって、科学的根拠の質は十分であると判断した。ただし、本研究レビューの限界として、サンプリングバイアス(被験者の偏り)や言語バイアス(英語と日本語のキーワードのみでデータベース検索を行ったことによる偏り)が完全には否定できないことが挙げられる。
【認知機能】
ア.標題:
DHAの摂取が認知機能に与える影響についての研究レビュー
イ.目的:
誰に P) :疾病に罹患していな成人に
何をすると I) :DHA を摂取させることは
何と比較して C) :プラセボ摂取、もしくはDHA摂取なしと比較して
どうなるか O) :認知機能(記憶および判断・実行)への有効性が認められるか
研究デザイン S):ランダム化比較試験(RCT)および準RCT
ウ.背景:
認知機能に対する DHAの効果については、数多くの報告がある。しかし、疾病に罹患していな成人に着目して研究果全体をまとめたレビューは限られている。そこで、これまでの国内外の知見を精査し、標題の研究レビューを行った。
エ.レビュー対象とした研究の特性:
文献の検索は、ランダム化比較試験(研究の対象者をランダムに2つのグループに分け、一方は評価しようとするものを摂取させ、もう一方には対照となるものを摂取させて比較する臨床試験)であること、DHAを摂取させる試験であること、疾病に罹患していな成人を対象としていることを条件に実施した。なお本研究レビューは、届出者以外の第三機関が実施した
オ.主な結果:
文献検索の結果、DHAの摂取群の対照群に対する有効性は、認知機能の一部である「記憶」について7報、「判断・実行」について8報で認められていた。「記憶」の報告における1日当たりのDHA摂取量は480~1550 mg 、「判断・実行」の報告における1日当たりのDHA摂取量は480~1720 mgであった。有効性が認められた試験項目と、本品の一日摂取目安量中に含まれるDHA量から、本品の摂取から期待される機能性を、消費者に分かりやすい表現として、「本品にはDHAが含まれます。DHAには、中高年の認知機能の一部である、日常生活における数に関する情報の記憶と数やことばに関する情報の判断や読み書きをサポートする機能があることが報告されています。」とした。
カ.科学的根拠の質:
採用文献の各種バイアス・リスク(偏りの危険性)は中程度、エビデンス(科学的根拠)の強さは中(B)と評価した。
幅広い年代の男女の対象者で機能が認められていた。また、効果を認められた文献のうち日本で実施された研究報告は3報あり、当該機能性において人種間に差異が認められるとした報告も無いため、結果を日本人に適用することに問題はないと考えられる。ただし、本研究レビューの限界として、サンプリングバイアス(被験者の偏り)や言語バイアス(英語と日本語のキーワードのみでデータベース検索を行ったことによる偏り)が完全には否定できないことが挙げられる。 |