【グルコサミン塩酸塩】
(ア)標題
本届出食品世田谷自然食品グルコサミンプロに含まれる機能性関与成分グルコサミン塩酸塩の経口摂取が、健常成人の膝関節機能におよぼす影響に関する研究レビュー
(イ)目的
健常成人においてグルコサミンの経口摂取とプラセボなどのコントロールの経口摂取を比較した無作為化比較試験(RCT)から、膝関節の可動域や膝関節の違和感、すなわち膝関節の機能に及ぼすグルコサミンの影響を合理的に検証した。
(ウ)背景
グルコサミンの経口摂取による変形性関節症の患者に対する膝関節機能の改善を示した文献は多数報告されているが、健常成人に対する報告は限定的である。そこで、健常成人(関節疾患に罹患していないが、膝の痛みやこわばりなどを経験したことがある・している人を含む)を対象とし、グルコサミンの経口摂取による膝関節機能への影響を明らかにすることを目的として研究レビューを実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
健常成人を対象とし、プラセボと比較してグルコサミンの経口摂取による膝関節機能への影響を評価した査読付き論文を対象とした。英語および日本語で発表された文献を複数のデータベースを用いて検索し、4報を採用した。
(オ)主な結果
採用した文献4報のうち1報で膝の曲げ伸ばし時の可動域が評価され、グルコサミン硫酸塩を1日当たり1500 mg、4週間摂取することにより、プラセボの摂取と比較し有意な改善がみられた。また、4報全てでVisual Analogue Scale(VAS)、Knee Pain Scale(KPS)、Knee injury and Osteoarthritis Outcome Score(KOOS)、Japanese Knee Osteoarthritis Measure(JKOM)、Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)のいずれかによって、膝の痛みやこわばりなど、膝の違和感に関する評価が実施された。このうち3報において、グルコサミン塩酸塩を1日当たり1500~2000 mg、4~12週間摂取することにより、VASまたはKPSによって膝の痛みの有意な改善、1報においてKOOSの項目の一つである膝のQOLの有意な向上がみられた。
(カ)科学的根拠の質
一貫して肯定的な結果であり、科学的根拠があると考えられた。しかし、評価方法や結果が各文献によって異なること、膝の可動域に関する報告に関しては1報であり、文献数が少ないことから、今後の研究を注視する必要がある。
以上から、グルコサミン1500~2000 mg/日の継続的な摂取は膝関節の可動性(曲げ伸ばし)をサポートし、膝の違和感をやわらげることが示され、膝関節の動きに悩みのある方に適していると考えられた。
【ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン】
(ア)標題
本届出食品世田谷自然食品グルコサミンプロに含まれる機能性関与成分「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」の経口摂取が歩行能力の維持に与える効果に関する定性的研究レビュー
(イ)目的
健康な成人がブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを継続摂取したときの歩行能力に対する有効性を検証した。
(ウ)背景
加齢による身体機能の衰えは、日々の運動や食事などにより維持することができると考えられ、食品のもつ機能性に注目が集まっている。その一例として、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの摂取によって歩行能力が維持されることが報告されているため、今回、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンと歩行能力に関する研究レビューを実施し、科学的エビデンスの確認を行った。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
国内外の学術論文のデータベースを使用して2019年9月以前の全ての論文を検索し、ヒトを対象としたランダム化二重盲検比較試験の文献2件を研究レビューの対象とした。
(オ)主な結果
レビューの対象とした文献のうち、1報は60歳以上のタイ人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり7.2 mg、8週間継続摂取させることで、歩行能力の指標とされる6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加した。もう1報は65歳以上の日本人被験者にブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり12 mg、8週間継続摂取させることで、同様に6分間歩行テストにおいて、プラセボ群と比較して歩行距離が増加した。
(カ)科学的根拠の質
採用した文献のいずれにおいても、健康な中高年齢者で有意に歩行距離の増加が認められた。日本人を対象とした試験においても有効との結果が得られており、科学的根拠があると考えられる。一方で、採用した文献数や、被験者数の観点で十分な精査には至らなかったことから、今後の研究を注視する必要がある。
以上より、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン7.2 mg/日の継続的な摂取は、中高年の方の、加齢により衰える歩行能力の維持に役立つ機能が期待できると考えられた。
【大豆イソフラボン】
(ア)標題
本届出食品世田谷自然食品グルコサミンプロに含まれる機能性関与成分「大豆イソフラボン」の経口摂取が骨吸収抑制作用に与える効果に関する研究レビュー
(イ)目的
健康な成人が大豆イソフラボンを継続摂取したときの骨の成分維持に対する有効性を検証した。
(ウ)背景
大豆イソフラボンの摂取による骨吸収マーカーの低下作用については、複数の論文報告があるものの、対象を健常な日本人成人として網羅的に解析した研究レビューは見つからなかった。そこで、健常な日本人成人に大豆イソフラボンをアグリコン換算で1日30 mg(日常の食生活に加えて摂取する1日当たりの上乗せ量の上限)以下摂取させることにより、骨吸収マーカーが低下し、骨の成分の維持に役立つかを検証するため研究レビューを実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
健常な日本人成人を対象とし、骨吸収マーカーである尿中デオキシピリジノリン(DPD)について、大豆イソフラボン30 mg(アグリコン換算)/日以下の摂取とプラセボ摂取を比較している査読付き論文を対象とした。英語および日本語で発表された文献を複数のデータベースを用いて検索し、8報を採用した。
(オ)主な結果
採用した論文8報では、大豆イソフラボンを1日当たり23.3~26.9 mg(アグリコン換算)、2~10週間に渡り継続的に摂取した。8報全てで摂取前後の尿中DPD量が統計解析されており、このうち7報で大豆イソフラボンの摂取後に尿中DPD量の有意な低下が認められた。8報中2報でプラセボ群と大豆イソフラボン群の群間比較の統計解析が行われており、このうち1報でプラセボ群と比較して大豆イソフラボン群において尿中DPD量の有意な低下が認められた。また、別の1報では摂取前後の尿中DPD変化率の層別解析がなされ、閉経後女性を対象とした解析では、プラセボ群と比較して大豆イソフラボン群において有意な低下が認められた。
(カ)科学的根拠の質
採用した8報は、一貫して肯定的な結果であり、科学的根拠があると考えられる。一方で、群間比較で有意差が確認されたものが1報であり、文献数が少ないことから、今後の研究を注視する必要がある。
以上より、大豆イソフラボン25mg/日の継続的な摂取は、中高年の方の骨の成分を維持する機能が期待できると考えられた。 |