安全性 |
・乳酸菌YRC3780株(L. lactis subsp. cremoris YRC3780)を含むドリンクヨーグルト(2.5×10の9乗(菌体数)以上/製品250g)は2021年4月から販売されており摂取による健康被害は発生していない。
・Lactococcus lactis subsp. cremoris YRC3780が属する菌種のLactococcus lactisは、食経験のある菌種として、EFSA(欧州食品安全機関)の安全性適格推定(QPS、Qualified Presumption of Safety)微生物や、IDF(国際酪農連盟)にリストされており、一定の安全性が認められている。
・シラカバ花粉症状を有している健常成人90名を対象に、1日あたりの乳酸菌YRC3780株の摂取量が10の9,10,11乗(菌体数)(各30名)となる分量で、12週間連続摂取させ、血液検査、血圧、脈拍数等の測定や医師による問診を行ったが、有害事象は観察されなかった。高用量群における一日当たりの乳酸菌YRC3780株の摂取量は2.7×10^11個であり、当該製品における一日当たりの摂取目安量当たりの含有量の3倍量以上に相当する乳酸菌YRC3780株を含有する食品を12週間連続摂取した場合でも、安全性に問題はないことが確認された。
・本採用文献では、乳酸菌YRC3780株は凍結乾燥菌体粉末を含むカプセルで、含まれる成分は賦形剤である。カプセルは通常、水またはお湯などとともに摂取されるため、当該製品であるドリンクタイプ発酵乳と摂取経路として大きな違いはないと考えられる。また、乳酸菌YRC3780株は腸管で作用するため、凍結乾燥菌体粉末でも当該製品の発酵乳形態でも機能性関与成分に与える影響に差はないと考えられることから、食品性状の違いによる機能性関与成分への影響はないと考えられる。
以上のことから、当該製品の安全性の評価は十分と判断した。 |
機能性 |
<仕事や勉強による一時的な心理的ストレスを和らげる>(研究レビュー)
【標題】
「よつ葉北海道のむヨーグルトやさしい甘さb」に含まれる乳酸菌YRC3780株(L. lactis subsp. cremoris YRC3780)の仕事や勉強による一時的な心理的ストレスを和らげる機能に関する研究レビュー
【目的】
健常な成人が、乳酸菌YRC3780株(L. lactis subsp. cremoris YRC3780)(以下、乳酸菌YRC3780株)を含む食品を摂取すると、それを含まない食品を摂取した場合と比べて、一時的な心理的ストレスを和らげるかを検証することを目的とした。
【背景】
乳酸菌YRC3780株の一時的な心理的ストレスを和らげる機能について、ヒトを対象とした試験は報告されているが、総合的に評価した研究レビューは実施されていなかった。
【レビュー対象とした研究の特性】
論文の検索は、4つのデータベースを用いて、2022年6月6日に、2022年6月6日までに公表された和文と英文の論文を対象に実施した。その結果、本研究レビューの対象となった論文が1報得られ、その有効性評価は無作為化比較試験(RCT)で、健常な成人(日本人)を対象とした試験であった。
【主な結果】
乳酸菌YRC3780株を1日あたり5.9×10の10乗(菌体数)を含む食品と含まない食品の2つのグループを設けて8週間継続摂取させて効果を比較する試験方法で臨床研究が実施されており、評価は摂取開始前、摂取2,4,6,8週間後に実施されていた。対象者は健常成人の男性(平均年齢23.5歳)であった。乳酸菌YRC3780株を含む食品を摂取した群で対照群に比べてTSST(ストレス負荷試験)開始40分後の唾液中コルチゾル濃度(TSST開始10分前を基準とした変化量)の有意な低下が認められ、一時的な心理的ストレスを和らげる効果が確認された。また、摂取6,8週間後の唾液中コルチゾル濃度の日内変動において、対照群に比べて午前中の唾液中コルチゾル濃度が有意に低下した。さらに、摂取8週間後のGHQ28(精神健康調査票)の得点が対照群に比べて有意に低下した(メンタルヘルスの状態が良好になった)。
【科学的根拠の質】
信頼性の高い評価指標を用いた評価で有効性が得られており、表示しようとする機能性(仕事や勉強による一時的な心理的ストレスを和らげる)に対して十分な根拠があると考えられた。しかし、採用した文献が1報であり、出版バイアスの可能性が否定できないため、今後さらなる研究成果が出ることが望まれる。
<睡眠の質を高める>(研究レビュー)
【標題】
「よつ葉北海道のむヨーグルトやさしい甘さb」に含まれる乳酸菌YRC3780株(L. lactis subsp. cremoris YRC3780)の睡眠の質を高める機能に関する研究レビュー
【目的】
健常な成人が、乳酸菌YRC3780株(L. lactis subsp. cremoris YRC3780)(以下、乳酸菌YRC3780株)を含む食品を摂取すると、それを含まない食品を摂取した場合と比べて、睡眠の質を高めるかをを検証することを目的とした。
【背景】
乳酸菌YRC3780株の睡眠の質を高める機能について、ヒトを対象とした試験は報告されているが、総合的に評価した研究レビューは実施されていなかった。
【レビュー対象とした研究の特性】
論文の検索は、4つのデータベースを用いて、2022年6月6日に、2022年6月6日までに公表された和文と英文の論文を対象に実施した。その結果、本研究レビューの対象となった論文が1報得られ、その有効性評価は無作為化比較試験(RCT)で、健常な成人(日本人)を対象とした試験であった。
【主な結果】
乳酸菌YRC3780株を1日あたり5.9×10の10乗(菌体数)を含む食品と含まない食品の2つのグループを設けて8週間継続摂取させて効果を比較する試験方法で臨床研究が実施されており、評価は摂取開始前、摂取2,4,6,8週間後に実施されていた。対象者は健常成人の男性(平均年齢23.5歳)であった。
乳酸菌YRC3780株を含む食品を摂取した群で対照群に比べて摂取6週間後のAIS(アテネ不眠尺度)の得点の有意な低下が確認され、睡眠の質を高める効果が確認された。また、睡眠の質に関係することが確認されている唾液中コルチゾル濃度の日内変動において、摂取6,8週間後において、対照群に比べて午前中の唾液中コルチゾル濃度が有意に低下した。
【科学的根拠の質】
信頼性の高い評価指標を用いた評価で有効性が得られており、表示しようとする機能性に対して十分な根拠があると考えられた。しかし、採用した文献が1報であり、出版バイアスの可能性が否定できないため、今後さらなる研究成果が出ることが望まれる。 |