安全性 |
本届出品は機能性関与成分(GABA)を一日当たりの摂取目安量で100㎎配合した食品である。新製品であり、最終製品での喫食実績がないため、既存情報における機能性関与成分GABAでの安全性評価をした。
1、既存情報による食経験の評価:公的機関、民間機関のデータベースにおいて、機能性関与成分GABAの喫食実績を調査した。その結果、ナス、トマト、ジャガイモなど一般に食される野菜100 g中にGABAが20~50 ㎎以上含まれていることから、通常の食生活において摂取される成分である。また、GABA(10~80mg/日)を関与成分とする特定保健用食品が市販されており、食品安全委員会において「適切に摂取される場合には、安全性に問題はない」と評価されている。
2、安全性試験による評価:GABAの食品としての安全性に関する研究報告を検索したところ、24報あった。11.5~1,000 mgのGABAを2週間~6か月間摂取した場合に、軽度の自覚症状変化を訴える事例(下痢、腹痛、お腹が張る、食欲不振など)はあるものの、安全性に問題はなかったことが報告されている。また、本届出品に含まれる機能性関与成分量の5倍量以上のGABA 1,000 mgを4週間摂取した試験においても安全性に問題のないことが報告されていることから、本届出品に含まれている機能性関与成分GABAには十分な安全性があると判断できる。
GABAは単純な構造のアミノ酸であり、基原による性質の違いは生じない。従って、各安全性評価試験で用いられたGABAと本届出品に含まれるGABAは同等のものであると言える。
以上のことから、機能性関与成分GABAを配合した本届出品の安全性に問題はないと考えられる。しかしながら降圧剤などの医薬品を併用すると血圧を下げすぎてしまう可能性が報告されているので、摂取をする上での注意事項に、降圧剤等の医薬品服用者は本届出品の利用について医師、薬剤師に相談すべきである旨を表示している。 |
機能性 |
<睡眠の質(眠りの深さ)>
【標題】GABAの摂取による睡眠の質(眠りの深さ)の改善に関する研究レビュー
【目的】GABA摂取による睡眠の質(眠りの深さ)を改善する効果について検証することを目的とした。
【背景】GABA摂取により、精神的ストレスがかかる作業における一時的な疲労感を軽減することや、睡眠の質を改善することが既に報告されている。そこで、健常成人に対してGABAの摂取による日常生活における睡眠の質(眠りの深さ)改善への効果を研究レビューにて検討した。
【レビュー対象とした研究の特性】英語、日本語の医学論文データベースを検索し、健康成人対象でGABAまたはプラセボ摂取時を比較した試験で脳波を評価している文献を2報採用し評価した。
【主な結果】GABA摂取(100 mg/日)の効果として、採用文献2報で、深い睡眠時間の有意な増加を示した。また1報では、ストレス状況や疲労感の違いによる層別解析を実施した場合、一時的な疲労感やストレスをより強く感じている人のノンレム睡眠ステージ3の時間が、GABA摂取時はプラセボ摂取時と比較して有意に増加した。以上のことから、GABAは、睡眠の質に不満を持ち、かつ、一時的な疲労感やストレスを感じている者において、睡眠の質(眠りの深さ)を向上させる効果が認められた。
【科学的根拠の質】採用された研究論文は査読付きランダム化二重盲検コントロール比較試験であり、客観的評価指標である脳波であるため、科学的根拠の質は高いと考えられる。本研究レビューの限界として、報告数が少ないことから、バイアスの存在が完全に否定できないことが考えられる。
<肌の弾力>
【標題】GABAの摂取による肌弾力の維持機能に関する研究レビュー
【目的】GABAの摂取による健康な成人男女の肌弾力を維持する効果について検証することを目的とした。
【背景】真皮の主成分である弾性線維は皮膚・動脈・肺などに多くあって、各臓器の伸縮性を担っており、加齢や紫外線等の影響で劣化すると報告されている。弾性線維の低下による真皮層の菲薄化は、皮膚の脆弱性(スキン-テア)に繋がるとも考えられる。皮膚の脆弱性予防は国民の健康的な生活維持にきわめて重要である。
【レビュー対象とした研究の特性】英語、日本語のデータベースを検索し精査した結果、健康な成人を対象とし、GABAとプラセボを比較した試験で、肌の弾性を評価している1報を評価対象とした。
【主な結果】採用文献において、GABA(100 mg/日)摂取により健康女性における肌弾力低下を緩和する効果が確認された。肌の構造は全身で共通であり性差もないことから、GABAは男女ともに対して肌の弾力を維持し肌の健康を守るのを助ける機能があると評価した。
【科学的根拠の質】採用文献はランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験の査読付き論文であり、評価指標も国内外において広く用いられている手法であることから、科学的根拠の質は問題ないと判断した。限界として、採用文献が1報と少ないため出版バイアスは否定できず、今後さらなるエビデンスの蓄積が望まれる。
[1] 針谷毅ら.アレルギー, 49, 463-471 (2000)
[2] 相生章博ら.和歌山医学, 53, 113-120 (2002)
[3] 佐藤育子ら.月刊ナーシング, 26, 98-103 (2006)
[4] 福田悠.弾性線維と疾患.Connective Tissue, 24, 135-140 (1992)
[5] 2018年1月24日 中央社会保険医療協議会 総会 第386回議事録(厚生労働省HPより) |