機能性 |
【標題】
機能性関与成分「トルラ酵母由来食物繊維」による健常成人に対する食後中性脂肪上昇抑制作用の機能性に関するシステマティック・レビュー
【目的】
健常成人が機能性関与成分「トルラ酵母由来食物繊維」を食事と共に経口摂取することで、「食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制できるか」を明らかにすることを目的とし研究レビューを行った。
【背景】
我が国において食生活の変化などを背景として生活習慣病に対する対策が急務となっている。食後に血中中性脂肪値の高い状態が長時間継続することは、動脈硬化や冠動脈疾患の発症を早める危険因子であることが指摘されている。食物繊維には食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制する機能を有するものが知られており、トルラ酵母由来食物繊維にもその機能が期待されている。そこで今回、「トルラ酵母由来食物繊維」の血中中性脂肪値上昇抑制作用に関するシステマティック・レビューを実施した。
【レビュー対象とした研究の特性】
国内外の4つの文献データベースを使用し、トルラ酵母由来食物繊維を用いて、健常成人に対する食後血中中性脂肪値の上昇抑制作用について調査したランダム化比較試験(RCT)を評価対象とした文献検索をし、論文の内容を精査したところ、採用論文は1報となった。
【主な結果】
健常成人を対象としたランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験にて高脂肪食と試験食を同時摂取した際に食後血中中性脂肪に及ぼす影響について検証を実施していた。被験者は脂肪を46.4g含む高脂肪食とともに本製品の関与成分であるトルラ酵母由来食物繊維 (598.5mg)を含む食品素材を水200mLに溶解した試験食を摂取し、摂取前と摂取1, 2, 3, 4, 5, 6時間後の血中中性脂肪濃度を測定、プラセボ群にはデキストリンを使用していた。また変化値からAUC値を算出し、群間で比較した。
トルラ酵母由来食物繊維を摂取した群は摂取しなかった群(プラセボ群)に対して、摂取後3, 4, 5時間において有意な血中中性脂肪値の上昇抑制とAUC値の低下が認められていた。以上のことより、トルラ酵母由来食物繊維を598.5mg摂取することで食後の血中中性脂肪の上昇が抑制されることが示されていた。
本製品1.6g中には上記臨床試験と同様のトルラ酵母由来食物繊維が600mg含有されることから、本製品1.6gを摂取することで食後の血中中性脂肪の上昇が抑制されることが期待されると考えられる。
【科学的根拠の質】
本研究レビューでは、トルラ酵母由来食物繊維の食後血中中性脂肪の抑制効果に対する効果について1報のRCT論文を評価した。評価論文は日本人健常成人男女を対象とし、アウトカムには主観の入らない血中中性脂肪値を用い臨床試験にて有効性を確認した査読付き論文であることから科学的根拠の質は高いと考えられる。本研究レビューの限界として、論文数が1報しかないことが挙げられる。そのため、今後の報告に注目していく必要があると考えられる。
【標題】
機能性関与成分「トルラ酵母由来食物繊維」による健常成人に対する食後血糖値上昇抑制作用の機能性に関するシステマティック・レビュー
【目的】
空腹時血糖が高めの健常成人が機能性関与成分「トルラ酵母由来食物繊維」を食事と共に経口摂取することで、「食後の血糖値の上昇を抑制できるか」を明らかにすることを目的とし研究レビューを行った。
【背景】
我が国において食生活の変化などを背景としてメタボリックシンドロームをはじめとした生活習慣病の患者数が近年増加している。血糖値の急激な上昇、いわゆる血糖スパイクが糖尿病の発症を促進することが知られているため、食後血糖値を下げることが糖尿病への進行を抑制するために重要であると考えられている。食物繊維には食後血糖値の上昇を抑制する機能を有するものが知られており、トルラ酵母由来食物繊維にもその機能が期待されている。そこで今回、「トルラ酵母由来食物繊維」の食後血糖値上昇抑制作用に関するシステマティック・レビューを実施した。
【レビュー対象とした研究の特性】
国内外の 4 つの文献データベースを使用し、トルラ酵母由来食物繊維を用いて、空腹時血糖が高めの健常成人に対する食後血糖値の上昇抑制作用について調査したランダム化比較試験(RCT)を評価対象とした文献検索をし、論文の内容を精査したところ、採用論文は 1報となった。
【主な結果】
健常成人を対象としたランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験にて白米と試験食を同時摂取した際に食後血糖値に及ぼす影響について検証を実施していた。被験者は白米 200gとともに本製品の 1.6g(トルラ酵母由来食物繊維として564.8mg)を水 200mLに溶解した試験食を摂取し、摂取前と摂取 15, 30, 45, 60, 90, 120分後の血糖値を測定し、プラセボ群にはデキストリンを用いていた。また変化値から AUC値を算出し、群間で比較していた。 全被験者を対象とした解析を行ったところ、試験食摂取後のいずれの時間、AUC値においてもプラセボ群に対し有意な血糖の上昇抑制効果は認められなかったが、空腹時血糖が高めおよび境界域に相当する 100~125mg/dL 未満の被験者(16 名)を対象とした層別解析を行ったところ、試験食摂取後、60, 90分における血糖値および AUC値において、有意な血糖値の上昇抑制と AUC値の低下が認められた。 最終製品を用いた臨床試験の結果から、本製品 1.6gを空腹時血糖が高めな方が摂取することで、食後血糖値の上昇が抑制されることが期待されると考えられる。
【科学的根拠の質】
本研究レビューでは、トルラ酵母由来食物繊維の食後血糖値の抑制効果に対する効果について 1 報の RCT 論文を評価した。評価論文は日本人健常成人男女を対象とし、アウトカムには主観の入らない血糖値を用い臨床試験にて有効性を確認した査読付き論文であることから科学的根拠の質は高いと考えられる。 |