■バナバ葉由来コロソリン酸
標題:機能性関与成分「バナバ葉由来コロソリン酸」が空腹時血糖値に及ぼす機能性に関する研究レビュー
目的:バナバ葉由来コロソリン酸の摂取が健常成人(空腹時血糖値100~125 mg/dL)の空腹時血糖値に対する影響を検証する目的で研究レビューを実施した。
背景:バナバ葉由来コロソリン酸は日本、米国において、健康食品として利用されている。日本では血糖値改善素材として認知度が高く、その機能性が期待されているが、研究成果を総合的にまとめたレビューがないため、当該研究レビューを通じて検証を行った。
レビュー対象とした研究の特性:PubMedおよびJDreamⅢについて検索を実施した結果、1報の対象文献が抽出された。文献は査読付きで、空腹時血糖値が高めの健常成人を対象としており、バナバ葉由来コロソリン酸の摂取が空腹時血糖値に及ぼす影響についてプラセボ摂取と比較したものであった。
主な結果:健常成人(空腹時血糖値100~125 mg/dL) 45 名に対してバナバ葉由来コロソリン酸0.9 mg/日の摂取による空腹時血糖値への影響をプラセボと比較したところ、空腹時血糖値の平均値は介入前後で有意な差は認められなかったが、空腹時血糖値の変化率は介入群で有意な低下を示した(群間P<0.05)。また、安全性に関しても、問題がないことが示された。
科学的根拠の質:論文の収集はPubMed(外国語論文)およびJDreamⅢ(日本語論文)を用いて検索を行ったが、未発表のデータが存在する可能性が否定できない。また、今回のレビューにおいては対象文献が1報のみであり、今後の報告に注目していく必要がある。査読付きのプラセボ対照試験であり、バイアスリスクは中程度であると評価した。
■GABA
標題:機能性関与成分GABAの血圧に対する影響に関する研究レビュー
目的:健常成人がGABAを摂取することによって、プラセボを摂取する場合と比べて、正常血圧者、正常高値血圧者、軽症高血圧者がGABA含有食品を摂取した場合とGABA非含有食品を摂取した場合で、血圧への影響に違いがあるかどうかを検証することを目的とした。
背景:GABAは自然界に広く存在しており、通常の食生活で自然に摂取されているアミノ酸で、血圧降下作用や精神安定作用などが知られている。血圧に懸念がある場合、生活習慣の見直しと同時に、積極的なGABAの摂取により血圧を管理することも重要な一手段と思われ、血圧に関するGABAの有用性を網羅的な文献調査と研究レビューを実施した。
レビュー対象とした研究の特性:日本語と英語の3種のデータベースを用いて検索後94報の文献を抽出し、最終的に9報が採用された。採用された文献はいずれも査読付き論文で、日本人を対象としていた。
主な結果:本研究レビューの結果より、GABA 20~80mg、12週間の摂取によって血圧が高めの方の血圧を下げる機能に関する機能性が確認された。軽症高血圧者を除いた健常人のみで評価した場合では、正常高値血圧者に対してGABAの血圧低下作用が認められた。正常血圧者に対しては、GABAは血圧を下げることがなく、正常な血圧のままであった。以上よりGABAは血圧が高めの方に対して血圧を低下させる機能があり、正常血圧者に対しては影響を与えず、正常な血圧を維持すると結論付けられた。
科学的根拠の質:文献の検索を英語と日本語のデータベースに絞ったことから、他言語での論文の収集の網羅性に問題や出版バイアスの存在が否定できない問題が残っている。
標題:機能性関与成分GABAのストレスおよび疲労感の低減作用に関する研究レビュー
目的:健常成人がGABAを摂取することによって、プラセボを摂取する場合と比べて、精神的ストレスや疲労感を緩和するか、について検討することを目的とした。
背景:アミノ酸の一種であるGABAは、GABA高含有発芽米などの生鮮食品に限らず、チョコレートなどの菓子類などにも配合され、広く認知度が上がってきている成分である。GABAには睡眠や血圧の改善に加えて、一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和する効果があることが知られている。今回、その効果を改めて検証するために研究レビューを行った。
レビュー対象とした研究の特性:3種のデータベースの検索により、59報の文献を抽出し、事前に設定された基準に基づいて選択した結果、最終的に6報が採用された。採用された文献はいずれも査読付き論文で、日本人を対象としていた。また、採用した文献のうち2報が単盲検試験であった。
主な結果:GABA摂取30分前後、GABA 28mg以上の条件下でストレスマーカーの有意な低下が確認され、また、GABA摂取後30~60分、GABA 100mgでの条件下でα波の有意な増加が確認された。自律神経活動においても、GABA28mg摂取後36.5~45分でリラックス状態(ストレスの緩和)が認められたことから、GABA 28mg以上の摂取後30~60分程度でストレスの緩和に関する機能性が確認された。さらに、GABA摂取30分前後、GABA 28mg~50mgの条件において、主観的評価での疲労感の有意な低下が確認された。
科学的根拠の質:アウトカムレベルの限界として、自律神経活動については1報しか採用していないため非一貫性が評価できなかったことが挙げられる。また、研究レビュー全体の限界としては、ファンネルプロットを用いなかったため出版バイアスを評価できなかったことが挙げられる。
■ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン
標題:ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン摂取による、腹部の脂肪に与える影響に関する研究レビュー
目的:健康な方に対する「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」摂取の効果を、プラセボとの比較で検証した研究をレビューし、効果の有無を総合的に評価した。
背景:ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの脂肪に対する影響に関して、培養ヒト細胞を用いたin vitro実験や、マウスを用いた動物実験では、脂肪の分解を促進する作用があるという研究報告がある。しかし、ヒトを対象とした、脂肪に対する影響を評価した文献を包括的に整理する研究レビューでは、脂肪に対する影響について評価したものはなかった。今回、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを継続して摂取することによる、腹部の脂肪に与える影響について検証を行った。
レビュー対象とした研究の特性:国内外のデータベースを使用して英語及び日本語の文献を検索し、基準に合致した文献2報(ランダム化比較試験)を採用した。採用文献はいずれも、20-64歳の、BMIが高めの健康な日本人成人男女を参加者とした試験で、解析対象者に脂質異常・高血糖・高血圧に該当する参加者は含まれなかった。
主な結果:採用文献2報から、健康な参加者がブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり12 mg含む食品を12週間継続して摂取することで、含まない食品を摂取した場合と比較して、腹部の脂肪面積が有意に減少していることが確認された。
科学的根拠の質:評価した文献が2報のため出版バイアスについて否定できないものの、いずれの文献も日本人を対象としたランダム化比較試験であり、予め設定された試験計画に沿って試験が実施されており、信頼できる研究であると考えられた。よって、採用文献のブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを1日当たり12mg継続して摂取することによって、腹部の脂肪を減らす機能が認められたという結果は信頼できる科学的根拠に基づいていると考えられ、本届出食品でも同様の機能が期待できると考えられる。 |