●一時的な精神的ストレスや疲労感
【標題】
最終製品「ごちそうトマトα(ごちそうとまとあるふぁ)」に含有する機能性関与成分GABAが一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和する機能性に関するシステマティックレビュー
【目的】
健常成人において、「GABAを含む食品の摂取がストレスや疲労感を軽減するか」を検証するため、定性的研究レビューを実施した。
【背景】
GABAは脳内における主要な抑制性の神経伝達物質であると考えられており、興奮抑制作用によって精神安定作用を有することが知られている。
またGABAには仕事や勉強などのデスクワークや日常生活における精神的ストレスからくる一時的な疲労感を緩和する報告もあることから、GABAを含む食品を摂取するとストレスや疲労感を軽減する効果があるか検証することとした。
【レビュー対象とした研究の特性】
3つのデータベースを情報源として用いた。PubMed(最終検索日:2020年12月17日)、医中誌Web(最終検索日:2020年12月17日)、JDreamⅢ(最終検索日:2020年12月17日)を検索し、ハンドサーチは実施しなかった。各データベースとも検索期間は限定せずに、最終検索日までの全範囲を対象として検索を行った。
また、未報告研究についてはUMIN臨床試験登録システム(UMIN-CTR、最終検索日:2020年12月17日)を用いて検索した。最終的に2報の文献を採用し、いずれも健常な日本人成人を対象とした論文であった。
【主な結果】
一時的な精神的ストレスや疲労感の評価として、「唾液中クロモグラニンA」については2報中1報で肯定的、「自律神経活動」は1報中1報で肯定的、「主観的疲労感」については1報中1報で肯定的であった。
採用した2報において、GABAの摂取量は28mg/回であった。健常な成人がGABAを28mg/回摂取することで、一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和することが示された。
【科学的根拠の質】
研究の限界としては、有効性が示されなかった研究が公表されていない可能性が考えられる。ただ、最終的に採用した2報の論文のバイアス・リスクの評価ではQL1であり、エビデンスの一貫性など特に問題は認められなかった。問題となるような大きなバイアスは認められず、科学的根拠の質は確保されていると評価した。
●高めの血圧を低下
【標題】
最終製品「ごちそうトマトα(ごちそうとまとあるふぁ)」に含有する機能性関与成分GABAによる血圧低下の機能性に関する定性的研究レビュー
【目的】
日本人の正常高値血圧者およびⅠ度高血圧者に対して、GABAを含む食品の12週間以上の継続摂取が、血圧低下効果を有するかを明らかにするため、定性的研究レビューを実施した。
【背景】
GABAを配合した本商品の販売にあたり、血圧降下作用について科学的評価を行うため研究レビューを行った。
【レビュー対象とした研究の特性】
3つのデータベースより登録開始時期から2018年10月までの範囲で文献検索を実施した。採用された文献5報はすべて日本語で記載されており、いずれもランダム化二重盲験プラセボ対照比較試験であった。5報すべてが並行群間試験、対象者はすべて健常な日本人成人であった。
介入群のGABAの摂取量は20mg~120mg/日であり、アウトカム指標として全ての文献で収縮期血圧と拡張期血圧を測定していた。試験食品の摂取期間は12週間から16週間であった。
【主な結果】
5報全てで疾病に罹患していない者(正常高値血圧者)での層別解析を行っていた。罹患していない者およびⅠ度高血圧者を対象とした5報のうち4報で、GABAの12週間以上の継続摂取により対照群と比較して収縮期血圧と拡張期血圧の有意な低下が確認された。罹患していない者での層別解析を行った5報のうち4報でも同様に、GABAの12週間以上の摂取により対照群と比較して収縮期血圧と拡張期血圧の有意な低下が確認された。
本研究レビューの結果からGABA(20mg/日以上)の摂取は収縮期血圧と拡張期血圧を有意に低下させる、血圧低下作用を有する肯定的な結果が得られた。
【科学的根拠の質】
採用論文の質を評価した結果、採用文献5報すべてがQL1であった。
出版バイアスについては、臨床試験登録がされた文献がない事と、5報すべてで著者に試験食品の製造元の社員が含まれることから、エビデンス総体の出版バイアスが入り込むことは否定できないが、総合的に評価したところエビデンス総体に影響を与える重大なリスクはないと判断した。
また本研究レビューでは、アウトカム指標として血圧(収縮期血圧、拡張期血圧)を用いた。
このアウトカム指標は、日本人で妥当性が得られ、学術的にも広くコンセンサスが得られている「特定保健用食品申請に係る申請書作成上の留意事項」の血圧関係の評価指標である。
●肌の保護
【標題】
最終製品「ごちそうトマトα(ごちそうとまとあるふぁ)」に含まれる機能性関与成分リコピンによる、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能性に関する研究レビュー
【目的】
リコピンは、カロテノイド色素の一種であり、トマトなどに豊富に存在している。
抗酸化活性など数多くの機能性を有することが報告されており、リコピンの摂取による紫外線刺激から肌を保護する効果について、疾病に罹患していない健常成人を対象とした臨床試験論文のシステマティックレビューを実施した。
【背景】
太陽光線は、その波長によって紫外線、可視光線、赤外線に分類され、紫外線はビタミンDの生合成など人体に有益である一方、有害作用ももたらすことが知られている。
代表的なものが急性障害の日焼けである。日焼けには、紫外線に長時間曝露されることによって皮膚が赤くなるサンバーンと、これに続く色素増強のサンタンが含まれる1)が、これらはいずれも皮膚障害の第一歩とされている。
日焼けは慢性障害として皮膚がんのリスクも増大するため、健康維持の観点から重要性が高く、近年では肌機能に対しても美容効果が期待できることが報告されてきた。
そこで、リコピンが健康な成人に対して紫外線刺激から肌を保護する機能性があるかどうかについて検討した研究報告を調査し、定性的にまとめることとした。
1) 上出良一,紫外線防御の皮膚科学的意義,日本化粧品技術者会誌 30(3), 265-272, 1996
【レビュー対象とした研究の特性】
PubMed、J-DreamⅢ(JSTPlus+JMEDPlus+JST7580)、医中誌Webの3つのデータベースを情報源として文献検索を行った(最終検索日2021年4月2日)。
その結果、計42報の国内外の論文が選定され、採用基準に基づいて選抜した結果、計11報について2次スクリーニングを実施。最終的に2報の文献を定性的に評価した。
【主な結果】
適格基準に基づいて採用された論文2報にて報告された計2試験の結果から、リコピンを16mg/日含む食品を継続的に摂取することで、紫外線刺激からの肌の保護について支持する有意な結果が得られた。
本研究レビューでは、採用論文2報どちらも外国人(イギリス人、ドイツ人)の、それぞれ疾病に罹患していない健常成人かつスキンタイプ1ー2を被験者としていた。日本人のスキンタイプは大凡2ー4に該当するとされる(日本皮膚科学会HPより)が、日本人への外挿性を否定するような記述はなかったこと、採用論文ではないが日本人に対しても効果が得られたとの研究報告もあることから、リコピンの摂取による「紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能」について科学的根拠があるものと判断した。
【科学的根拠の質】
本研究レビューの限界として、メタアナリシスを実施していないことが挙げられる。
一方で、今回の研究レビューの結果から、疾病に罹患していない健常な成人において、リコピンの経口摂取が紫外線刺激による皮膚の紅斑の発生を低減する機能に対して科学的根拠があり、本研究レビューの結果からリコピンの紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能には科学的根拠があると判断した。 |