◆DHA
【標題】認知機能に関する研究レビュー
【目的】DHA摂取による認知機能について検討した。
【背景】認知機能に対するDHAの効果について多数報告があるが、健常者に着目したレビューは限られているため、標題の研究レビューを行った。
【レビュー対象とした研究の特性】文献の検索は、ランダム化比較試験、DHAを摂取させる試験、健常者を対象としていることを条件に実施した。
【主な結果】認知機能の一部である「記憶」および「判断・実行」において群間比較によるDHA摂取の有効性は、7報の文献で認められ、1日当たりのDHA摂取量は480~1720mgであった。試験は、提示された情報を覚え込み、維持した情報を思い出して、思い出したことが正しいか確認するといった一連の脳内の作業を評価していた。当該製品は一日当たりの摂取目安量中にDHA 480 mgを含む食品であり、当該機能の効果が期待できるものと判断した。
【科学的根拠の質】採用文献のバイアスリスクは中程度、エビデンスの強さは中と評価した。また、日本人への外挿性に問題はないと考えられるが、サンプリングバイアスや言語バイアスが完全には否定できない。
◆DHA・EPA
【標題】中性脂肪値低下作用に関する研究レビュー
【目的】健常者および中性脂肪値がやや高めの者で、DHA・EPA摂取により中性脂肪低下効果について検討した。
【背景】DHA・EPAの経口摂取による中性脂肪値を低下させる機能について多数報告があるが、健常者および中性脂肪値がやや高めの者に限定した場合における有効性は明確でなかったため、標題の研究レビューを行った。
【レビュー対象とした研究の特性】文献の検索は、ランダム化比較試験、DHA・EPAを摂取させる試験、健常者および中性脂肪値がやや高めの者を対象としていることを条件に実施した。
【主な結果】健常者を対象とした16報のうち10報、中性脂肪値がやや高めの者を対象とした21報のうち15報が、当該の機能性を認めていた。また、群間比較において当該機能を認めた報告において、1日当たりのDHA・EPAの摂取量は133~10,440 mg、摂取期間は3~14週間であった。本製品は1日当たりの摂取目安量中にDHAとEPAの総量として580mg含むため、有効性が期待できるものと判断した。
【科学的根拠の質】採用文献のバイアスリスクは低、エビデンスの強さは強と評価した。日本人への外挿性に問題はないと考えられるが、サンプリングバイアスや言語バイアスが完全には否定できない。
◆GABA
【標題】血圧低下作用に関する研究レビュー
【目的】血圧が高めの健常者に対するGABA摂取による血圧低下効果を検討した。
【背景】GABAは発酵食品などに含まれており、日常的に摂取されているアミノ酸であり、血圧降下作用があることが知られている。
【レビュー対象とした研究の特性】国内外の文献データベースを検索し、健康成人対象でGABA・プラセボ摂取時を比較した試験で血圧を評価している文献15報を評価した。
【主な結果】正常高血圧の人において、12.3mg~80mg/日のGABA摂取時の効果として、血圧が有意に低下する効果が認められた。また、正常な血圧の人のみを対象とした場合は正常な血圧を維持した。
【科学的根拠の質】採用文献のバイアスリスクは低度であった。
【標題】事務作業や家事による一時的なストレスや疲労感の緩和効果に関する研究レビュー
【目的】GABA摂取による精神的ストレスがかかる作業によって生じる一時的な疲労感の緩和効果を検証した。
【背景】GABAのデスクワークなどを主体とする精神的ストレスがかかる作業における一時的な疲労感の緩和が報告されている。【レビュー対象とした研究の特性】国内外の文献データベースを検索し、健常成人を対象とし、GABA・プラセボ摂取時を比較した文献7報を評価した。
【主な結果】一時的なストレスや疲労感を評価する指標「主観的指標(VAS、POMS)、客観的指標(唾液中のコルチゾール・クロモグラニンA、脳波の変動、自律神経活動の各指標)」により評価した結果、GABA 28 mg以上の摂取で、事務作業や家事による一時的なストレスや疲労感を和らげる効果が確認された。
【科学的根拠の質】採用文献のバイアスリスクは、採用論文7報中1報が中程度、他6報は低度であった。
【標題】日常生活で一時的に落ち込んだ気分に与える機能性に関する研究レビュー
【目的】GABA摂取によって一時的な気分の落ち込みに影響を与えるかを検証した。
【背景】日常生活で、一定期間十分な休息なく継続して精神的、身体的負荷がかかる場合、健常人でも、一時的に気分が落ち込む可能性がある。日常生活で一時的に気分が落ち込んでいる人に対するGABA摂取効果について検討した。
【レビュー対象とした研究の特性】国内外の文献データベースを検索し、日常生活で一時的に気分が落ち込んでいる健康な成人男女を対象とし、GABA摂取群とプラセボ群を比較した試験でありPOMS2-ASを評価している1報を評価した。
【主な結果】GABA 100 mg/日を摂取することにより、日常生活において一時的に気分が落ち込んでいる人の前向きな気分を改善する効果が確認された。
【科学的根拠の質】採用文献のバイアスリスクは低度であった。
【標題】睡眠の質(眠りの深さ)に関する研究レビュー
【目的】GABA摂取による睡眠の質(眠りの深さ)の改善効果を検討した。
【背景】GABA摂取により、精神的ストレスがかかる作業における一時的な疲労感を軽減することや、睡眠の質を改善することが既に報告されている。
【レビュー対象とした研究の特性】国内外の文献データベースを検索し、健康成人対象でGABA・プラセボ摂取時を比較した試験で脳波を評価している文献2報を評価した。
【主な結果】GABA摂取(100 mg/日)の効果として、採用文献2報で、深い睡眠時間が有意に増加した。また1報では、ストレス状況や疲労感の違いによる層別解析を実施した場合、一時的な疲労感やストレスをより感じている人のノンレム睡眠ステージ3の時間が、有意に増加した。
【科学的根拠の質】採用文献のバイアスリスクは低度であった。
【標題】睡眠後の目覚めの質に関する研究レビュー
【目的】GABA摂取による睡眠の質(目覚め)の改善効果を検証した。
【背景】目覚めの質と睡眠の質は正の相関関係にあると考えられる。よって目覚めの質が睡眠の質を評価する上で重要な指標の一つである。
【レビュー対象とした研究の特性】国内外の文献データベースを検索し、健康成人を対象とし、GABA・プラセボ摂取時を比較した試験でVAS[feeling upon awakening]を評価している文献1報を評価した。
【主な結果】睡眠の質がやや低い健康な成人男女がGABA 100 mg/日を摂取することで睡眠の質(目覚め)が有意に改善した。
【科学的根拠の質】採用文献のバイアスリスクは低度であった。
【標題】肌弾力維持機能に関する研究レビュー
【目的】肌弾力維持に対するGABAの機能性について検証した。
【背景】真皮の主成分である弾性線維は皮膚・動脈・肺などに多くあって、各臓器の伸縮性を担っており、加齢や紫外線等の影響で劣化すると報告されている。弾性線維の低下による真皮層の菲薄化は、皮膚の脆弱性(スキン-テア)に繋がるとも考えられる。皮膚の脆弱性予防は国民の健康的な生活維持にきわめて重要である。
【レビュー対象とした研究の特性】国内外の文献データベースを検索し、健康な成人を対象とし、GABAとプラセボを比較した試験で肌の弾性を評価している1報を評価した。
【主な結果】GABA(100 mg/日)摂取により、健康女性における肌弾力低下を緩和する効果が確認された。肌の構造は全身で共通であり性差もないことから、GABAは肌の弾力を維持し肌の健康を守るのを助ける機能があると評価した。
【科学的根拠の質】採用文献の科学的根拠の質は問題ないと判断した。 |