【ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)】
●睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善し、起床時の疲労感を軽減する効果
<標題>
最終製品「からだにユーグレナ ピーチミックス風味乳酸菌入り」に含有する機能性関与成分ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)による睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善する効果に関する研究レビュー
<目的>
本研究レビューは、リサーチクエスチョン「ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)摂取により睡眠の質が改善するか」に従って、以下のPICOSを設定し、ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)を摂取することによる睡眠の質改善機能の有効性を検証することを目的とした。
P(対象者):健常者
I(介入):ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)の経口摂取
C(対照):プラセボの経口摂取
O(アウトカム):睡眠の質改善
S(研究デザイン):ランダム化並行群間比較試験、クロスオーバー無作為化比較試験
<背景>
ユーグレナは、微細藻類に分類される単細胞の微生物である。植物と動物両方の性質を兼ね備えていることから、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸等多様な栄養素を含んでおり、栄養補助食品やサプリメントとして活用されている。また、ユーグレナの貯蔵多糖、パラミロンは、生活習慣病や免疫機能亢進等さまざまな効果があるとされているβ-1,3-グルカンの一種である。黒酵母由来のβ-1,3-1,6-βグルカンには自律神経調整作用、ストレス軽減作用があることが報告されており、パラミロンにも自律神経調整作用による睡眠の質改善機能があることが期待される。しかしながら、ユーグレナやパラミロンの睡眠の質改善機能を検証した研究レビュー等の文献は存在していなかった。そこで、健常人を対象として、ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)を経口摂取することによる睡眠の質改善機能を明らかにするために、本研究レビューを実施した。
<レビュー対象とした研究の特性>
2020年11月24日に、それまでに発表された論文を対象にして検索を行った。レビュー対象は、健康な成人を研究対象としたランダム化並行群間比較試験またはクロスオーバー無作為化比較試験の査読付論文(専門家による審査を経た論文)とした。最終的に評価した論文は1報あった。利益相反(研究の結果に影響を与え得る利害関係)について、特に問題となるものはなかった。
<主な結果>
適格基準に合致する研究として1報のプラセボ対照二重盲検ランダム化並行群間比較試験(RCT)が該当した。その研究では、VAS、OSA睡眠調査票、PSQIの3つの指標を用いて、ユーグレナグラシリス粉末を12週間摂取した時の睡眠の質への影響を検証している。その結果、VASを用いた評価では「睡眠満足度」、OSA睡眠調査票を用いた評価では「起床時眠気」、「疲労回復」、「睡眠時間」、PSQIを用いた評価では「トータルスコア」といった睡眠の質に関連する複数の指標において効果が認められた。
全体として、125mg~750mgのユーグレナグラシリス由来パラロン(β-1,3-グルカンとして)(ユーグレナグラシリス粉末として500mg~3000mg)を摂取することで、睡眠の質改善機能に関するユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1,3-グルカンとして)の有効性が認められると判断された。またエビデンスの質としては、肯定的なエビデンスの質があると判断された。
<科学的根拠の質>
採用された文献は1報と少なく、またUMIN-CTRの結果も合わせて考えると、出版バイアスの可能性も否定できない。しかし、複数のアウトカムで一貫性のある結果が得られており、効果量に対するバラツキも小さいため、表示しようする機能性を否定するものではないと判断した。
【植物性乳酸菌 K-1(L. casei 327)】
●おなかの調子を整える機能
<標題>
植物性乳酸菌 K-1(L. casei 327)の便通改善作用に関する研究レビュー
<目的>
植物性乳酸菌 K-1(L. casei 327)の摂取による便通改善作用に関する機能性を検証する目的とした。
<背景>
植物性乳酸菌 K-1(L. casei 327)は主に整腸作用が期待され、最近では臨床試験の実施により有効性が確認されるなどその有用性が見出されていますが、便通改善作用に関する研究レビューは確認できていなかった。
【レビュー対象とした研究の特性】
リサーチクエスチョン(以下RQ)及びPICOを以下のように設定し研究レビューを実施した。
RQ:植物性乳酸菌K-1(L. casei 327)は、便通を改善させるか?
P:便秘傾向のある健常成人
I:植物性乳酸菌K-1(L. casei 327)の経口摂取(食品形態は問わない)
C:プラセボの経口摂取(プラセボの配合内容は問わない)
O:便通の改善
上記PICOをもとに検索式と除外基準を設定し、データベースで論文を検索した。検索により特定された文献は、適格基準により採用文献と除外文献に選別し、採用文献からPICOに対応した項目の情報を抽出した。また、原著論文であるか、査読誌であるか確認した。
<主な結果>
最終的に1報を採用し、植物性乳酸菌 K-1(L. casei 327)500億個、2週間の摂取で便通が改善することが確認され、表示しようとする機能性は妥当と判断した。採用論文は臨床試験が日本で実施されていることより、日本人の外挿性の問題はないと判断した。
<科学的根拠の質>
全研究のバイアスリスクは「低」、非直接性は「低」、不精確は「低」、非一貫性は「中/疑い」、全体のエビデンスの強さは「強」と判断した。使用したデータベースが少なく研究の収集が不完全と思われた。本機能性関与成分を使用した便通改善に関する臨床試験は採用された1報のみであることから出版バイアスは「低」と判断した。 |