1.末梢血流改善機能に関する評価
【標題】
カカオポリフェノール(フラバノールとして)を含むココアの摂取による末梢血流改善機能の検証
【目的】
本臨床試験では、健康な成人男女を対象とし, カカオポリフェノール(フラバノールとして)を含有するココアを摂取した時に、冷えにより低下した末梢血流が改善されるかを 二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験により検証した。
【背景】
過去の研究において、ココアの摂取によって微小循環血流の増加との関連を示唆する末梢皮膚温度の改善効果の報告がある。ココアの摂取が日常生活で手先などに冷えを感じる人の末梢血流の維持ならびに改善や、低下しがちな末梢皮膚温度の維持に有用と考えられ検証した。
【方法】
健常な成人男女を対象として、プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験を実施した。室温23±1℃、湿度40±5%の環境下で30分以上安静にした後、カカオフラバノール30mgを含むココアまたはカカオフラバノールを含まないプラセボを単回摂取し、摂取0分後から60分後まで、10分ごとに末梢血流を測定した。
【主な結果】
解析対象者24名において、ココア摂取後40~60分で皮膚血流が有意に増加した。このことから、カカオフラバノール30mgを含むココアの摂取は、低下した末梢血流を改善する機能があることが考えられた。なお、試験期間中に、本製品に起因する有害事象は認められなかった。
【科学的根拠の質】
本試験は、プラセボ対照二重盲検クロスオーバー法により実施しており結果の信頼性は高いと考えられる。試験実施費用については、森永製菓株式会社が負担した。その他に特筆すべき利益相反はない。
2.末梢皮膚温改善機能に関する評価
【標題】
カカオポリフェノール(フラバノールとして)を含むココアの摂取による末梢皮膚温維持機能の検証
【目的】
本臨床試験では、健康な成人男女を対象とし, カカオポリフェノール(フラバノールとして)を含有するココアを摂取した時に、冷えにより低下した末梢皮膚温が改善されるかを 二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験により検証した。
【背景】
過去の研究においてココアの摂取によって微小循環血流の増加との関連を示唆する末梢皮膚温度の改善効果の報告がある。ココアの摂取が日常生活で手先などに冷えを感じる人の末梢血流の維持ならびに改善や、低下しがちな末梢皮膚温度の維持に有用と考えられ検証した。
【方法】
健常な成人男女を対象として、プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験を実施した。室温23±1℃、湿度40±5%の環境下で30分以上安静にした後、カカオフラバノール30mgを含むココアまたはカカオフラバノールを含まないプラセボを単回摂取し、摂取0分後から60分後まで、10分毎に末梢皮膚温測定を、20分毎にVASを実施した。
【主な結果】
解析対象者24名において、ココア摂取後40~60分で末梢皮膚温が有意に維持された。また、VASにおいてもココア摂取後60分で「手の冷たさ」が有意に改善した。これらのことから、カカオフラバノール30mgを含むココアの摂取は、末梢皮膚温をプラセボに比べ維持する機能があることが考えられた。なお、試験期間中に、本製品に起因する有害事象は認められなかった。
【科学的根拠の質】
本試験は、プラセボ対照二重盲検クロスオーバー法により実施しており結果の信頼性は高いと考えられる。試験実施費用については、森永製菓株式会社が負担した。その他に特筆すべき利益相反はない。
3. 整腸機能(おなかの調子を整える機能)に関する評価
【標題】
機能性関与成分カカオリグニンの摂取による整腸機能に関する研究レビュー
【目的】
便秘傾向者に対して、カカオリグニン含有食品を経口摂取することにより、プラセボ食品の経口摂取と比較して、整腸機能がみられるか評価を行う。
【背景】
日本人の便秘の有訴者率は年々増加し(平成25年国民生活基礎調査)、特に20~60歳の女性や高齢者に多いのが特徴で、便秘によるQOLの低下が問題視されている。そこで今回、便通および便臭改善に関与する成分としてココアの中で最も多く含まれる食物繊維の一つであるカカオ由来のカカオリグニンに着目した。
【レビューを対象とした研究の特性】
本研究のデザインは定性的研究レビューであり、3つの電子データベースを使用し、カカオリグニンを用いて整腸機能について調査したランダム化比較試験(RCT)を収集した。評価項目「便通(排便回数、排便量)」「便臭(排便臭、糞便中アンモニア濃度)」について、カカオリグニン摂取群と対照群(プラセボ摂取群)のデータについて調査・評価を行った。
【主な結果】
RCT論文1報が抽出され、カカオリグニン摂取群が評価項目(「便通(排便回数、排便量)」「便臭(排便臭、糞便中アンモニア濃度)」)において、整腸機能を高める方向で有意な結果を示していることが確認された。この結果より、カカオリグニンには、摂取することにより便秘傾向者(便通が気になる健常者)に対する整腸機能(おなかの調子を整える機能)があると判断した。
【科学的根拠の質】
本研究レビューにおける結果の限界・問題点としては、採用論文が1報のみであり、論文数が限定されていることが挙げられる。また、英語および日本語の論文のみを抽出対象としていることから、他の言語における本研究レビューに関連する論文の存在は否定できず、言語バイアスについて否定できない。 |