<ストレスに対する機能性>(研究レビュー)
【標題】
「Y1000」に含まれる乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)のストレスの緩和に関する研究レビュー
【目的】
健常な成人が、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)を含む食品を摂取すると、それを含まない食品を摂取した場合と比べて、ストレスを緩和するかを確認するために研究レビューを実施しました。
【背景】
厚生労働省e-ヘルスネットに「ストレスによって自律神経系・内分泌系・免疫系のバランスが崩れ、からだの病気が生じる」と記載されているとおり、一時的にストレスがかかる状況下では、精神的な負荷を感じたり、睡眠の質の低下等が起こりやすくなります。現代社会においてストレスは避けて通れない問題であり、精神的ストレスがかかる状況でのストレスの緩和に繋がる機能性を持つ食品は、日本人の健康維持に役立つと考えます。近年は脳と腸が自律神経系等を介して密接に関係していることや、それに腸内細菌が関わっていることを示唆する報告がなされており、一時的に精神的ストレスがかかる状況でのストレスの緩和に乳酸菌の摂取が有用である可能性が考えられます。乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)は生きて腸まで到達する乳酸菌として知られており、これまでに多くの研究が実施されています。しかし、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)のストレス緩和の機能性について包括的に調査した研究レビューはありません。そこで、今回、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)の機能性を検証するため、研究レビューを実施しました。
【レビュー対象とした研究の特性】
公表された論文を対象とし、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)を含む食品を摂取した場合のストレスを評価している研究について調査しました。メタアナリシス、システマティックレビュー、無作為化コントロール比較試験(RCT)を対象に検索を行ったところ(検索日2019年11月28日)、健常な成人を対象としたRCT論文4報が採用されました。
【主な結果】
乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)摂取により、主観的なストレス体感の程度を評価する臨床試験でよく用いられる視覚的アナログ尺度(VAS)の減少や、ストレスを評価するうえで広くコンセンサスの取れた指標である唾液中コルチゾール濃度の減少等が認められ、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)を含む食品を摂取することで、一時的に精神的ストレスがかかった状況でのストレスを緩和する機能性を発揮することが示されました。
【科学的根拠の質】
採用された文献が4報あり、肯定的な内容で一貫性のある結果が得られていることから、科学的根拠の質は十分と判断しました。しかし、研究の限界として出版バイアスの存在が否定できないため、今後さらなるエビデンスの拡充が望まれます。
<睡眠の質に対する機能性>(研究レビュー)
【標題】
「Y1000」に含まれる乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)の睡眠の質の向上に関する研究レビュー
【目的】
健常な成人が、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)を含む食品を摂取すると、それを含まない食品を摂取した場合と比べて、睡眠の質を向上するかを確認するために研究レビューを実施しました。
【背景】
厚生労働省e-ヘルスネットに「ストレスによって自律神経系・内分泌系・免疫系のバランスが崩れ、からだの病気が生じる」と記載されているとおり、一時的にストレスがかかる状況下では、精神的な負荷を感じたり、睡眠の質の低下等が起こりやすくなります。現代社会においてストレスは避けて通れない問題であり、精神的ストレスがかかる状況での睡眠の質の向上に繋がる機能性を持つ食品は、日本人の健康維持に役立つと考えます。近年は脳と腸が自律神経系等を介して密接に関係していることや、それに腸内細菌が関わっていることを示唆する報告がなされており、一時的に精神的ストレスがかかる状況での睡眠の質の向上に乳酸菌の摂取が有用である可能性が考えられます。乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)は生きて腸まで到達する乳酸菌として知られており、これまでに多くの研究が実施されています。しかし、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)の睡眠の質向上の機能性について包括的に調査した研究レビューはありません。そこで、今回、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)の機能性を検証するため、研究レビューを実施しました。
【レビュー対象とした研究の特性】
公表された論文を対象とし、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)を含む食品を摂取した場合の睡眠の質を評価している研究について調査しました。メタアナリシス、システマティックレビュー、無作為化コントロール比較試験(RCT)を対象に検索を行ったところ(検索日2019年11月28日)、健常な成人を対象としたRCT論文1報が採用されました。
【主な結果】
乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)摂取により、睡眠時脳波では、眠りの深さを評価する入眠潜時、N3ステージ割合および睡眠第一周期におけるデルタパワーの改善が認められました。また、OSA睡眠調査票では起床時眠気と睡眠時間について改善が認められ、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)を含む食品を摂取することで、一時的に精神的ストレスがかかった状況での睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を向上する機能性を発揮することが示されました。
【科学的根拠の質】
採用された文献は信頼性の高いRCT試験であるため、科学的根拠の質は十分と判断しました。しかし、採用文献が1報のみであり、論文数が限定されていることから、今後さらなるエビデンスの拡充が望まれます。
<腸内環境に対する機能性>(研究レビュー)
【標題】
「Y1000」に含まれる乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)の腸内環境の改善に関する研究レビュー
【目的】
健常な成人が、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)を含む食品を摂取すると、それを含まない食品を摂取した場合と比べて、腸内環境を改善するかを確認するために研究レビューを実施しました。
【背景】
腸内細菌は、ヒトの健康状態やQOLに深い関係があることが知られており、腸内環境を改善する機能性を持つ食品は、健常な成人の健康維持に役立つと考えます。乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)は生きて腸まで到達する乳酸菌として知られており、これまでに排便習慣との関係や腸内環境の研究が多く実施されています。そこで、今回、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)の機能性を検証するため、研究レビューを実施しました。
【レビュー対象とした研究の特性】
公表された論文を対象とし、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)を含む食品を摂取した場合の腸内細菌叢および便性状の改善を評価している研究について調査しました。メタアナリシス、システマティックレビュー、無作為化コントロール比較試験(RCT)を対象に検索を行ったところ(検索日2019年11月28日)、健常な成人を対象としたRCT論文8報が採用されました。
【主な結果】
腸内細菌叢については、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)摂取により有用菌であるビフィズス菌と乳酸菌の増加が認められました。また、便性状として、排便頻度、便の硬さおよび水分含量を評価し、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)摂取により便性状の改善が認められ、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)を含む食品を摂取することで、腸内環境を改善する機能性を発揮することが示されました。
【科学的根拠の質】
採用された文献が8報あり、肯定的な内容で一貫性のある結果が得られていることから、科学的根拠の質は十分と判断しました。しかし、研究の限界として出版バイアスの存在が否定できないため、今後さらなるエビデンスの拡充が望まれます。
(構造化抄録) |