【イソマルトデキストリン(食物繊維)】
<血糖値への働き>
標題
イソマルトデキストリン(食物繊維)の血糖上昇抑制効果の検証
目的
健常成人(妊産婦、授乳婦は除く)を対象としてイソマルトデキストリン(食物繊維)の摂取により血糖上昇抑制効果があるか検証する。
背景
日本では食生活の変化などを背景として糖尿病に対する対策が急務となっており、食後の血糖値の管理も重要と言われている。水溶性食物繊維であるイソマルトデキストリンには血糖値の上昇を抑制する機能が期待されている。そこで今回、「イソマルトデキストリン(食物繊維)」の血糖上昇抑制作用に関するシステマティックレビューを実施した。
レビュー対象とした研究の特性
検索日:日本国内外の文献 2017年8月16日
検索対象期間:検索日までの全期間
対象集団の特性:健常成人(妊産婦、授乳婦は除く)
最終的に評価した論文数:2報(研究3例)
研究デザイン:ランダム化並行比較試験、ランダム化クロスオーバー試験、
準ランダム化比較試験
利益相反:本研究は、株式会社林原からの資金提供を受けて実施されたものである。
資金提供者は、最終報告書のフォーマットの確認を除き、システマティック
レビュープロセス自体への関与はない。
主な結果
血糖値の上がりやすい健常成人(妊産婦、授乳婦は除く)において、イソマルトデキストリン(食物繊維として) 2.13-8.08g/日の摂取は安全で、食後の血糖上昇を抑制する効果があることが確認された。
科学的根拠の質
採用論文は2報と少なくメタアナリシスを実施できなかったため定性的なレビューとなったが、各々ランダム化比較試験で実施され、血糖値の上昇を抑制するという結果に一貫性があるため、信頼性は高いと考える。今後一日当たりの有効摂取量などに関してさらなる研究が望まれる。
<血中中性脂肪値への働き>
標題
イソマルトデキストリン(食物繊維)の血中中性脂肪上昇抑制効果の検証
目的
健常成人(妊産婦、授乳婦は除く)を対象としてイソマルトデキストリン(食物繊維)の摂取により血中中性脂肪上昇抑制効果があるか検証する。
背景
日本では食生活の欧米化や慢性的な運動不足などにより生活習慣病の患者が増加傾向であり、関連して食後の血中中性脂肪値の過度な上昇に注意すべきと考えられている。水溶性食物繊維であるイソマルトデキストリンには食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制する機能が期待されている。そこで今回、「イソマルトデキストリン(食物繊維)」の血中中性脂肪上昇抑制作用に関するシステマティックレビューを実施した。
レビュー対象とした研究の特性
検索日:日本国内外の文献 2018年5月7日
検索対象期間:検索日までの全期間
対象集団の特性:健常成人(妊産婦、授乳婦は除く)
最終的に評価した論文数:1報
研究デザイン:ランダム化並行比較試験、ランダム化クロスオーバー試験、
準ランダム化比較試験
利益相反:本研究は株式会社林原からの資金提供を受けて合同会社オクトエルにて
実施したが、研究監修機関、方針決定機関(㈱林原)、研究実施機関は独立している。
主な結果
食後の血中中性脂肪値が高めの健常成人(妊産婦、授乳婦は除く)において、イソマルトデキストリン(食物繊維として) 2.13g/日の摂取は安全で、食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制する効果があることが確認された。
科学的根拠の質
採用論文が1報であることからメタアナリシスは実施できず定性的なレビューとなったが、ランダム化比較試験で実施されており、信頼性は高いと考える。今後一日当たりの有効摂取量などに関してさらなる研究が望まれる。
【GABA】
標題
GABAの血圧が高めの方の血圧を下げる効果(血圧低下効果)についての研究レビュー(研究を中立的立場から精査・検証すること)
目的
血圧が正常または血圧が高めの日本人およびI度高血圧者が長期間GABAを含む食品を摂取した場合と、GABAを含まない食品を摂取した場合で、血圧低下効果に違いがあるかどうかを検証することを目的とした。
背景
GABAを配合した本品を販売するにあたり、本食品の血圧低下効果について検証するため、研究レビューを行った。
レビュー対象とした研究の特性
2017年3月23日に、2017年3月までに発表された論文を対象にして検索を行った。レビュー対象は、血圧が正常または血圧が高めの人およびI度高血圧者を研究対象とし、無作為化対照試験(GABAを含む食品を摂取する人とGABAを含まない食品を摂取する人を無作為に分け、それぞれの結果を照らし合わせて評価する試験)の形の査読付論文(専門家による審査を経た論文)とした。最終的に評価した論文は14報あった。利益相反(研究の結果に影響を与え得る利害関係)について、記述がない論文もあったが特に問題となるものはなかった。
主な結果
血圧低下効果は、収縮期血圧(心臓が収縮した時に指し示す最大血圧)および拡張期血圧(心臓が拡張した時に指し示す最小血圧)の各指標で評価された。どちらの指標でもGABAを含んだ食品はGABAを含まない食品と比較して有意な効果(統計学上、偶然ではなく意味のある効果)が認められた。正常な血圧の人のみを対象にした場合は正常な血圧を維持し、血圧が高めの健常者のみを対象にした場合も1日あたり12.3mg以上の摂取で有意な血圧低下効果が認められた。
科学的根拠の質
収集した論文の中には、研究方法に偏り(バイアス)があり、結果が正しく出ない可能性があるものがあった。また、効果がないとする研究結果が論文として発表されていない可能性があった。これらの問題点は残るものの、ほぼすべての論文で、適切な被験者数で、かつ、本研究レビューの目的に合った条件で試験がなされており、本研究レビューで評価した論文は直接的な科学的根拠として問題のないものであった。ただし、効果があったとする論文中では被験者は1日あたり12.3mg以上のGABAを摂取しており、これより少ない量ではGABAの効果は確認されておらず注意が必要である。 |