安全性 |
【食経験について】
当該商品『グルコサミン健脚粒』は、グルコサミン塩酸塩を1日摂取目安量あたり2000mg摂取できるハードカプセル型サプリメントである。届出商品に使用しているグルコサミン塩酸塩のメーカーである甲陽ケミカル株式会社では、食品原料としてのグルコサミン塩酸塩を1998年3月から2016年までの累積で5,000トン以上製造販売しているが、この間重篤な健康被害の報告は無いとしている。また、届出商品に類似する食品(グルコサミン塩酸塩2,000mg/日)が、1999年以降、通信販売や店舗販売の商品として一般市場で多数販売されているが、これまでに重篤な健康被害情報は公になっていない。
【既存情報による安全性の評価】
データベース及び文献検索を実施したところ、グルコサミン塩酸塩の摂取で軽い胃腸症状が生じる可能性、妊娠中・授乳中の摂取は避けることや疾患を持っている患者が摂取する場合は注意が必要であるが、健常者で明らかにグルコサミン塩酸塩が原因と特定された重篤な危険情報はないこと、及び当社商品の機能性関与成分グルコサミンの1日摂取目安量2,000mgの安全性情報についても特に問題は無いと判断致し、安全な素材であると評価致した。
【医薬品との相互作用について】
機能性関与成分グルコサミン塩酸塩とクマリン系抗凝固剤(特にワルファリン)の相互作用につきましては、抗凝固作用が増幅されるリスクがあるとの報告があるが、当社商品の対象者は健常者であり、機能性関与成分グルコサミン塩酸塩の1日摂取目安量2,000mgを守り、過剰摂取に留意して頂ければ相互作用を起こす可能性は低いと考えている。
以上より、類似する食品により、機能性関与成分であるグルコサミン塩酸塩は、適切に使用すれば、安全性に特段の問題は無く、安心してご使用して頂けると判断した。 |
機能性 |
①「ヒザ関節の動きの悩みの緩和に役立つ」点について
(ア)標題
健常者の膝関節機能改善に対するグルコサミン塩酸塩の有用性について
(イ)目的
成人健常者対象の臨床試験において、機能性関与成分グルコサミン塩酸塩が膝関節機能改善に役立つかを検証する。
(ウ)背景
グルコサミン塩酸塩の摂取が膝関節機能改善のため、どのような影響を与えているか明らかにする必要があった。
(エ) レビュー対象とした研究の特性
事前作成した手順に基づき研究レビューを実施。検索データベースのPubMed及び医中誌を対象に文献検索を行い、成人健常者にグルコサミン塩酸塩を摂取させ、膝関節機能を評価した臨床試験の論文を収集した。患者を対象にした論文、評価指標や対象部位が目的と異なる論文、および動物実験や細胞実験の論文は除外し、最終的に採用した論文は1報であった。概要は次の通りである。急性的な膝の痛みを経験したことのある成人健常者46名を2群に分け、グルコサミン塩酸塩2,000mg(グルコサミン群:24名)もしくは機能性関与成分を含まないプラセボ(プラセボ群:22名)を12週間摂取させた。その結果、8週目と12週目の膝関連QOLスコアがグルコサミン塩酸塩群においてプラセボ群よりも有意に改善した。
(オ)主な結果
成人健常者にグルコサミン塩酸塩2,000mgを継続的に摂取させることにより膝関節機能の評価指標が改善することから、膝関節の機能改善に役立つことが示された。
(カ)科学的根拠の質
健常者の膝関節機能改善検証のため、膝機能関連スコアで評価を行った。被験者群は同一母集団より選抜しており、偏りの存在は低い。本知見の一般化可能性は高く、グルコサミン塩酸塩の摂取が日常生活や運動時負荷に対する膝関節の機能改善に役立つことが示されたと考えられる。本研究レビューに採用した文献は1報であったが、どの評価項目も参加者に対する改善効果としては重要度が高いものであり、グルコサミン塩酸塩2,000mgの継続的な摂取は成人健常者の膝関節機能に有用な効果をもたらすと結論付けた。本文献の対象者はオーストラリア人であるが、生活レベル等は日本と同等であり、日本人に外挿可能と考えられる。疾患のない健常者の膝関節部位を特定した機能検証では、放射線や外科的処置を用いる観察は倫理的に問題があり、現段階では問診による評価指標スコアに用いて臨床研究を行う他なく、本採用論文の研究手法が研究の限界だと考えられる。
②「運動や歩行などにおける軟骨成分の過剰な分解を抑えることで、関節軟骨を維持する」点について
(ア)標題
健常者の関節軟骨の維持に対するグルコサミン塩酸塩の有用性について
(イ)目的
成人健常者を対象にした臨床試験において、機能性関与成分グルコサミン塩酸塩が関節軟骨の維持に役立つかを検証するため、研究レビューを実施した。
(ウ)背景
関節軟骨は分解と合成を繰り返し代謝されていることが知られているが、グルコサミン塩酸塩の摂取が健康な関節軟骨の維持に、どのような影響を与えているか明らかにする必要がある。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
事前に作成したプロトコルに基づき研究レビューを実施した。検索対象のデータベースとしては、PubMed及び医中誌とし、さらに他の情報源から得た論文も考慮し、成人健常者(変形性関節症等の患者を除く)に対するグルコサミン塩酸塩摂取による膝関節機能を評価した臨床試験の論文を収集した。主要アウトカムは関節軟骨の代謝マーカー(CTX-Ⅱ、CPⅡ)の改善とした。収集した論文に関して、バイアスリスク、直接性、評価項目におけるエビデンスの強さを評価した。最終的に採用した論文はデータベース以外から得た情報からの1 報であった。採用論文の概要は次の通りである。自転車競技選手27名をプラセボ群(13名)、グルコサミン塩酸塩1,500㎎/日群(14名)の2群に無作為割付した。この被験者について、CTX-ⅡとNTxを用いて、関節負荷とその変動を補正して層別解析を行い、関節負荷の少ない被験者に対するグルコサミン塩酸塩の効果を検証した。その結果、関節負荷が大きい被験者(CTX-Ⅱが500ng/mmol以上)よりも関節負荷が小さい被験者(CTX-Ⅱが500ng/mmol未満)において、試験食品摂取3ヶ月後に、プラセボ群と比べてグルコサミン塩酸塩1,500mg/日群でCTX-Ⅱが有意に減少する傾向を示すことがわかった(p=0.05)。さらに、関節負荷の変動をNTxで層別化したところ(20%未満)、関節負荷が大きい被験者(CTX-Ⅱが500ng/mmol以上)よりも関節負荷が小さい被験者(CTX-Ⅱが500ng/mmol未満)で、被験食品摂取3ヶ月後に、プラセボ群に比べてグルコサミン塩酸塩1,500㎎/日群でCTX-Ⅱが有意に減少することがわかった(p<0.01)。
(オ)主な結果
本研究レビューの結果、健常者がグルコサミン塩酸塩1,500mg/日を3ヶ月間継続的に摂取することにより軟骨代謝が改善し、関節軟骨の主成分であるⅡ型コラーゲンの分解を抑制し合成を維持する作用により、関節軟骨の維持に役立つことが示された。
(カ)科学的根拠の質
健常者の関節軟骨代謝について検証するには、血中や尿中における生物的指標を評価指標に用いて臨床研究を行う他なく、それ以上の外科処置による観察などは倫理的に問題があり、本採用論文の研究手法が研究の限界だと考えられる。被験者群は同一母集団より選抜しており、偏りの存在は非常に低い。本知見の一般化可能性は高く、グルコサミン塩酸塩の摂取が日常生活や運動時負荷に対する関節軟骨の維持に役立つことが示されたと考えられる。
(構造化抄録) |