【パイナップル由来グルコシルセラミド】
評価する機能性の項目:パイナップル由来グルコシルセラミドには、肌の潤い(水分)を逃しにくくする機能が報告されています。
(ア)標題
パイナップル由来グルコシルセラミドが肌の経表皮水分蒸散量※に与える効果に関する研究レビュー(※肌から失われる水分の量のこと)
(イ)目的
健康な日本人がパイナップル由来グルコシルセラミドを飲用したときの肌の経表皮水分蒸散量に対する有効性を検証した。
(ウ)背景
肌には外部刺激から体内を保護し、水分が過剰に逃げるのを防いで、一定に保つ役割がある。健康な肌は、一般的に経表皮水分蒸散量が低くて角層水分量が多く、皮膚構造が整った状態である。しかし、肌の保湿力が低下し水分が過剰に失われると、それに伴って肌が荒れ、乾燥した状態となる。つまり、肌の保湿力を高め、水分の蒸散を抑えることは、肌の健康維持に重要である。
パイナップル由来グルコシルセラミドは、肌に対する有用性が報告されていたことから、臨床試験報告のレビューを行った。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
2017年10月以前に報告された英語および日本語の文献を対象に検索し、健康な人を対象にした12週間の臨床試験の文献1報をレビューの対象とした。
(オ)主な結果
レビュー対象とした文献1報は、健康な日本人がパイナップル由来グルコシルセラミド(1.2 mg)を服用する臨床試験の報告で、経表皮水分蒸散量(TEWL)の評価が行われていた。パイナップル由来グルコシルセラミド(1.2 mg)を12週間毎日飲用した結果、経表皮水分蒸散量の低下が確認された。この効果は、文献においてパイナップル由来グルコシルセラミドの飲用によって皮膚の構造が整えられたことによると考察されており、その結果、肌の潤い(水分)を逃しにくくするものと考えられた。以上より、パイナップル由来グルコシルセラミドの飲用は、肌の健康維持に有用であると考えられた。
(カ)科学的根拠の質
パイナップル由来グルコシルセラミド(1.2 mg)の飲用は、経表皮水分蒸散量を抑えるため、肌の潤い(水分)を逃しにくくする機能があることが確認された。文献数が1件のみであり、バイアスリスクも否定できないが、日本人対象のランダム化比較試験の報告であることから信頼性は高いと考えられた。
【L-テアニン】
評価する機能性の項目:L-テアニンには、夜間の良質な睡眠(起床時の疲労感や眠気を軽減)をサポートすることが報告されています。
(ア)標題
L-テアニンの摂取による睡眠改善の機能性に関する研究レビュー
(イ)目的
健常成人に、本届出食品に含有する機能性関与成分L-テアニン200mgを就寝前に摂取させると、プラセボ摂取の場合と比べ睡眠の質が改善するかについて、起床時の昨夜の睡眠に関するアンケートや睡眠中の生理学的指標にて検証した。
(ウ)背景
L-テアニンの睡眠改善効果について、個々の文献では報告されているものの、それらを網羅的に評価された文献はなく、L-テアニンが夜間睡眠の質を改善するかを結論付けることは出来なかったため検証を行った。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
英語文献検索には、Pubmed(検索対象期間:1946年~2017年5月26日)、Cochrane Library(1992年~2017年5月26日)のデータベースを用い2017年5月26日に検索を実施した。また、日本語文献は、JSTPlus(検索対象期間:1981年~2017年5月24日)、JMEDPlus(1981年~2017年5月23日)、JST7580(1975年~1980年12月8日)のデータベースを用い2017年5月30日に検索を実施した。検索対象は、健常な日本人の成人の集団とし、L-テアニンを摂取しない群と比較した試験デザインであることとした。その結果、最終的に3報の文献を評価した。これらの文献のうち2報は原料を販売している企業と大学研究機関との共同研究、1報は原料の提供はあるが大学研究機関が独自で実施した研究の結果である。
(オ)主な結果
評価した3報の結果をまとめ、統計的に解析した結果、L-テアニン摂取により、起床時のアンケート調査のうち「疲労回復」、「眠気」の改善については強い関連性が、「夢み」、「睡眠時間延長感」の改善については中程度の関連性がみられた。また、生理学的指標のひとつである睡眠中の交感神経活動の抑制についても中程度の関連性がみられた。これらの指標は、日本人(成人)で標準化された「OSA睡眠調査票(MA版)」の評価項目に含まれていることから日本人の睡眠の質を評価するのに適しているといえ、「疲労回復」と「眠気」の改善に強い関連性がみられたことは良質な睡眠がもたらされたことを示している。以上のことより、就寝前にL-テアニンを摂取することは、夜間の良質な睡眠(起床時の疲労感や眠気を軽減)をサポートすると考えられた。
(カ)科学的根拠の質
選定された文献が3報であったため出版によるバイアスの評価に至らなかった。精確性の評価に関してはサンプルサイズが少ないため考慮が必要とされた。エビデンスの一貫性などに特に問題は認められず、エビデンス総体の質はおおむね良好と考えられた。 |