標題①:
ルテインは、ブルーライトなどの光刺激から眼を守る色素成分であるという研究レビュー
背景と目的:
ルテインは、生体内では眼に多く存在し、特に黄斑を含む網膜に特異的に存在し、抗酸化あるいはブルーライト光を吸収するなどの性質を発揮して、黄斑を含む視細胞などの保護・維持に重要な役割を果たしている。
そこで、成年健常人がサプリメントとしてルテインを摂取した場合の黄斑部の色素密度である黄斑色素光学密度(以下、MPOD)を正常に保つことによってブルーライト光などの可視光線から網膜が受ける光ストレスが抑制されることによる眼を保護する機能を示すのに適切なルテインの摂取量や期間を検証することを目的とした。
レビュー対象とした研究の特性:
複数の文献データベースを用いて、2015年2月までに公開された論文を収集した。また、行政関連機関においてもルテイン関連の文献や情報の検索を行った。対象とする研究デザインについては、健常人対象の無作為化比較試験(RCT)のみを選抜した。
主な結果:
文献検索により最終的に9件の文献が抽出された。
結果をまとめると1日あたり6~20㎎のルテインを摂取すると摂取開始から1~2ヶ月程度で血中のルテイン濃度は有意に上昇し、定常状態に達し、摂取を継続することによって血中濃度は維持される。さらに9件のうち5件についてはMPOD値まで検証されており、ルテインの摂取開始3ヶ月以降にMPOD値が増加していることが示されている。
従って、成年健常人において1日あたり6~20㎎のルテインを摂取すると、摂取開始から早ければ3ヶ月程度でMPOD値が増加し、ブルーライトなどの光ストレスから眼を保護する機能が示されると期待されると結論付けることが出来る。
よって、ルテインはブルーライトの光刺激から眼を守る色素成分であり、1日当たりのルテイン摂取目安量が16mgであるDHC「ルテイン 光対策」は眼の黄斑色素濃度を高める製品として機能性表示することは適切であると判断した。
科学的根拠の質:
全ての試験が無作為化比較試験を対象としての研究レビューであり、それによって導き出された、1日あたり6~20㎎のルテイン摂取により血中ルテイン濃度やMPOD値が上昇するということに対するエビデンスの質としては高いと思われる。但し、中にはサイズが小さい試験もあり、また対照群や盲検法、また、MPOD値に関しても測定法や解析法など統一されていないなど懸念点がないわけではないが、今後の研究によって見解が覆される可能性は低いと思われる。本研究成果の信頼性を高める為にも、今後より質の高い研究結果が報告されることが望ましい。
標題②:
ルテインは、コントラスト・グレア(光順応)感度を維持・改善し、眼の調子を整える成分であるという研究レビュー
背景と目的 :
ルテインは、生体内では眼に多く存在し、特に黄斑を含む網膜に特異的に存在している。
これまでに、ヒトがルテインを摂取した場合のルテインの血中濃度或いは視機能、抗酸化能に対する影響は多く研究されている。しかし、クリアな視界や視覚(以下、視機能と記載)の維持向上を目的としてルテインを摂取する場合の摂取量や質、期間を示す系統的なレビューはされていない。
そこで、コントラスト感度及びグレア感度の改善を指標として、視機能が維持向上するためにサプリメントとしてルテインを摂取する場合、機能性を示すのに適切なルテインの摂取量や期間を検証することを目的として研究レビューを行った。
レビュー対象とした研究の特性:
複数の文献データベースを用いて、2015年2月までに公開された論文を収集した。また、行政関連機関においてもルテイン関連の文献や情報の検索を行った。対象とする研究デザインについては、健常人対象の無作為化比較試験(RCT)のみを選抜した。
主な結果:
文献検索により最終的に3件の文献が抽出された。
対象とした3件の研究は、ルテイン或いはルテインを含むキサントフィルの摂取が視機能を改善するかどうかコントラスト感度とグレア感度を指標に検討したものである。
結果をまとめると、1日あたり6~20㎎のルテインを摂取すると、およそ0.5~1.0 μmol /lの範囲で、用量依存的にルテイン血中濃度が上昇する。視機能については、1日あたり12~20mgのルテインを3ヶ月以上継続摂取するとコントラスト感度が向上し、さらに摂取を1年程度継続するとグレア感度も向上することが示されている。
よって、1日当たりのルテイン摂取目安量が16mgであるDHC「ルテイン 光対策」はコントラスト感度を維持・改善し、眼の調子を整えるのに役立つ製品であるとして機能性表示することは適切であると判断した。
科学的根拠の質:
全ての試験が無作為化比較試験を対象としての研究レビューであり、それによって導き出された、1日あたり12~20㎎のルテイン継続摂取によりコントラスト感度が上昇することに関するエビデンスの質としては高いと思われる。但し、サイズが小さい試験もあり、コントラスト感度やグレア感度の測定法や解析法など統一されていないなど問題点もないわけではないが、今後の研究によって見解が覆される可能性は低いと思われる。本研究成果の依頼性を高める為にも、今後より質の高い研究結果が報告されることが望ましい。
(構造化抄録) |