安全性 |
当該製品は難消化性デキストリン(食物繊維として)5gを配合した充填豆腐です。
【豆腐の安全性について】
豆腐は平安時代より日本で食されてきた食品です。当該食品の形態である充填豆腐は戦後の豆腐製造の機械化の進展に伴い生まれた豆腐であり、弊社においても30年以上の製造・販売実績があり、これまでに問題となる健康被害は報告されておらず、食経験上の安全性は十分にあるものと推察されます。
【難消化性デキストリンの安全性について】
難消化性デキストリンはトウモロコシでんぷん由来の水溶性食物繊維の一種で、1988年に特定保健用食品の関与成分として認定されており、2015年10月時点で392品目が許可取得されています。その許可品目の食品形態は清涼飲料水、即席みそ汁(スープ)、米菓、ソーセージ、粉末、ゼリー、かまぼこ、発酵乳、パン、米飯、豆腐など多様な食品形態があり、それぞれで安全性の確認が報告されています。
また、難消化性デキストリンの安全性について、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所「健康食品の素材情報データベース」で確認したところ、健康被害に関する情報はありませんでした。ただし、本品の一日摂取目安量5gの約7倍量食した場合に下痢症状を起こす可能性がある旨の報告があったことから、当該食品を食する方の体質や体調を考慮し、「食べすぎ、あるいは体質・体調により、おなかがゆるくなることがあります。」を摂取上の注意に記載し、注意喚起することしました。
以上より、難消化性デキストリンを配合した充填豆腐である当該製品は安全性が高いと判断しました。 |
機能性 |
食後の血糖値の上昇をおだやかにする:
【標題】
難消化性デキストリンを用いた健常成人に対する食後血糖の上昇抑制作用に関するシステマティックレビュー(メタアナリシス)
【目的】
健常成人もしくは境界域血糖値の成人に対して難消化性デキストリンを摂取することにより、食後血糖値の上昇抑制作用が見られるかを確認しました。
【背景】
現在、食生活の欧米化や慢性的な運動不足などにより、我が国におけるメタボリックシンドロームをはじめとした生活習慣病の患者数が増加しており、その中でも、糖尿病患者数の増加は超高齢社会を迎えた日本において極めて深刻な問題の一つとなっています。糖尿病に罹患しないためには、食事療法などによる血糖値をコントロールすることが非常に重要とされており、食後血糖値の上昇を抑制する食品素材が注目されております。
水溶性食物繊維である難消化性デキストリンは、血糖値調整効果を有することが報告されており、難消化性デキストリンを含有し、「食後血糖値の上昇を抑制する」といった表示内容の許可を受けた特定保健用食品は190品目(平成27年9月4日時点)となっております。そこで今回、難消化性デキストリンの食後血糖値の上昇抑制作用に関するシステマティックレビューを実施し、その有効性について確認しました。
【レビュー対象とした研究の特性】
4つの電子データベースを使用し、健常成人もしくは境界域血糖値の成人を対象に難消化性デキストリンを用いて食後血糖値の上昇抑制作用について調査したランダム化比較試験(RCT)を収集しました。収集された論文について、3つの評価項目「食後血糖値30分」、「食後血糖値60分」、「食後血糖値の濃度曲線下面積(AUC0-120min)」について評価を行ないました。
【主な結果】
43報のRCT論文が抽出され、所定の食事とともに難消化性デキストリン(食物繊維として)を5g(中央値)することで、全ての評価項目において難消化性デキストリン摂取した被験者が有意に食後血糖値を低下させることが確認されました。
【科学的根拠の質】
43報の抽出論文の質は高く、食後血糖値( 30, 60 分)および 食後血糖値の 濃度曲線下面積(AUC0-120min)の各結果の総例数は308~1,094例と例数が多く、不精確性はないものと判断しました。公表バイアスの存在は否定されなかったが、未公表論文を想定しても総合効果量は有意であったため、公表バイアスの影響は小さいものと判断しました。またメタアナリシスによる総合効果量も有意となりました。
【結論】
以上より、難消化性デキストリン(食物繊維として)5 gを食事と合わせて摂取することによって、食後血糖値の上昇を抑制する作用が期待できるものと判断しました。
食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする:
【標題】
難消化性デキストリンを用いた健常成人に対する食後血中中性脂肪上昇抑制作用に関するシステマティックレビュー(メタアナリシス)
【目的】
健常成人(空腹時血中中性脂肪値が150mg/dL未満)もしくは空腹時血中中性脂肪値がやや高めの成人(空腹時血中中性脂肪値が150~200mg/dL未満)に対して難消化性デキストリンを摂取することにより、食後血中中性脂肪値の上昇抑制作用が見られるかを確認しました。
【背景】
現在、食生活の欧米化や慢性的な運動不足などにより、我が国におけるメタボリックシンドロームをはじめとした生活習慣病の患者数が増加しております。高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は動脈硬化疾患や虚血性心疾患を誘発する要因となっており、特に脂質異常症は動脈硬化の危険因子であることから、食生活の改善などによる一次予防が望まれております。近年、脂質異常症の一つとして食後に血中中性脂肪値の高い状態が長時間継続する食後高脂血症が、動脈硬化症や冠動脈疾患の発症を早めるリスク因子であることが明らかとなっており、そのため、食後血中中性脂肪値の上昇を抑制する食品素材が注目視されております。
難消化性デキストリンは、食後血中中性脂肪値の上昇抑制作用を有することが報告されており、難消化性デキストリンを含有し、「食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制する」といった表示内容の許可を受けた特定保健用食品は16品目(平成27年9月4日時点)となっております。そこで今回、難消化性デキストリンの食後血中中性脂肪値の上昇抑制作用に関するシステマティックレビューを実施し、その有効性について確認を行いました。
【レビュー対象とした研究の特性】
4つの電子データベースを使用し、健常成人もしくは空腹時血中中性脂肪値がやや高めの成人を対象に難消化性デキストリンを用いて食後血中中性脂肪値の上昇抑制作用について調査したランダム化比較試験(RCT)を収集しました。収集された論文について、4つの評価項目「食後血中中性脂肪値(2,3,4時間)」および「血中濃度曲線下面積(AUC0-6h)」の実測値および変化量について、評価を行ないました。
【主な結果】
9報のRCT論文が抽出され、全ての評価項目において、対照群と比較して難消化性デキストリン摂取群が食後血中中性脂肪値を有意に低下させることが確認されました。また、本システマティックレビューは採用基準として健常成人(空腹時血中中性脂肪値が150mg/dL未満)もしくは空腹時血中中性脂肪値がやや高めの成人(空腹時血中中性脂肪値が150~200mg/dL未満)を対象としたが、9報のうちの論文1報について健常成人のみで同様の評価を行ったところ、対照群と比較して難消化性デキストリン摂取群が食後血中中性脂肪値を有意に低下させることが確認されました。
【科学的根拠の質】
9報の抽出論文の質は高く、食後血中中性脂肪値(2, 3, 4時間)、食後血中中性脂肪値の濃度曲線下面積(AUC0-6h)の各結果の総例数は、321~470例と例数が多く、不精確性はないと判断しました。公表バイアスの存在は否定されなかったが、未公表論文を想定しても、統合効果量は有意のままであったことから、公表バイアスの影響は小さいものと判断しました。またメタアナリシスによる統合効果も有意となりました。
【結論】
以上より、難消化性デキストリン(食物繊維として)5gを食事と合わせて摂取することによって、食後血中中性脂肪値の上昇を抑制する作用が期待できるものと判断しました。 |