『テアニンのストレス緩和効果』
①タイトル:
L-テアニンによる、ストレス負荷時のストレス緩和効果の検証
②目的:
L-テアニン(以下「テアニン」と示す)が配合された食品を摂取した場合のストレス負荷時のストレス緩和効果を確認することを目的とする。そのため、研究レビューとして、健常な成人を対象として、テアニンを含まない食品を比較した国内外の論文を広く調査して下記効果の科学的根拠を評価した。
③背景:
厚生労働省e-ヘルスネット(こころとからだ)において、「普段からだは自律神経系・内分泌系・免疫系のバランスによって微妙に調節されている。しかしストレスによりこのバランスが崩れると体の病気が生じる」とされている。そこで、ストレスの緩和に繋がる効果をもつ食品を提供することは、日本人の健康維持に役立つと考えた。
【機能性関与成分(テアニン)の選定】
テアニンには、上記の効果を調査した臨床試験の論文が複数報告されていることから、当該製品の機能性関与成分に選定した。
④研究レビュー対象とした研究の特性
論文の検索日:2015年3月5日(和文)、2015年3月17日(英文)
検索対象期間:1971年~2015年
対象集団の特性:健常成人
最終的に評価した論文数:3報
研究デザイン:並行群間またはクロスオーバー無作為化比較試験
利益相反情報:文献検索のキーワード選定、検索の実施、検索結果からの一次スクリーニング、二次スクリーニングは素材供給会社である太陽化学株式会社が行った。その後のレビューの作成はキリン株式会社が行った。
⑤主な結果
定性評価に供した論文3報全てで、テアニンにはストレスを緩和する効果があるとされていた。2報は一時的な心理的負荷(コンピュータ作業、計算作業など)に対する単回摂取の効果が示されており、残り1報は連日の心理的負荷(生活環境の変化)に対する継続的な摂取の効果が示されていた。
以上のことから、テアニンはストレス軽減効果に関して肯定的な科学的根拠があると判断する。
⑥科学的根拠の質
評価した全ての論文の研究デザイン(試験方法等)が、ストレス緩和効果を調査する目的におおよそ適合していることを確認した。正確性の観点から研究デザインの質(例:臨床試験のランダム割り付け※1、盲検化※2)を評価したところ、最も質が高いレベルを判断できた論文は3報中2報であり、臨床試験の規模(例:被験者数)は、総じて一般的に実施される食品摂取試験と同等であった。
また、ストレス緩和効果が確認された論文が3報中3報全てであることから、効果があるという結果には一貫性があると判断した。効果がないという一部の研究成果が、論文として出版されていない可能性はあるが、その点については確認できなかった。
以上のことから、ストレスが負荷される前に摂取した場合、テアニンのストレス緩和効果には、今回評価した論文全体を通して、科学的根拠の質は確保されていると評価した(社内基準による科学的根拠レベルの判定:「示唆的な根拠がある」)。
※1ランダム割り付け:試験食品或いはプラセボ食品(機能性関与成分が含まれない食品)のいずれかを、乱数表等を用いて被験者に割り付ける方法。
※2盲検化:被験者が摂取する食品が、試験食品かプラセボ食品(機能性関与成分が含まれない食品)が分からないようにすること。
『クエン酸の疲労軽減(回復も含む)効果』
①タイトル
クエン酸の日常生活や運動後の疲労軽減効果の検証
②目的
クエン酸が配合された食品を摂取した場合の日常生活や運動後の疲労の軽減効果を確認することを目的とする。そのため研究レビューとして、健常な成人を対象として、クエン酸を含まない食品と比較した国内外の論文を広く調査して下記効果の科学的根拠を評価した。
③背景
平成11年に厚生省疲労調査研究班が実施した疫学調査において、我が国で疲労感を自覚している人の割合は就労人口の約60%(4,720万人)である。疲労感は多くの場合、不快感と活動意欲の低下が認められる(日本疲労学会平成22年発表より)ため、多くの人々は疲労感によって健康な状態を妨げられている。
また、「健康日本21(第二次)(2013年~)」において、国民の健康増進のために、栄養と食生活に並んで身体活動・運動等の生活習慣の改善が重要であると記載されており、「疲労感」を軽減し活動意欲の低下を抑えて、身体活動量や運動量の低下を改善することは、健康増進のために大切であると言える。
これらのことから疲労感の軽減効果をもつ食品を提供することは、日本人の健康維持に役立つと考えた。
【機能性関与成分(クエン酸)の選定】
クエン酸は、上記の効果を調査した臨床試験の論文が複数報告されていることから、当該製品の機能性関与成分に選定した。
④研究レビュー対象とした研究の特性
論文の検索日:2015年6月3日(和文)、2015年6月8日(英文)
対象期間:1966年~2015年
対象集団の特性:健常成人
最終的に評価した論文数:3報
研究デザイン:ランダム化ダブルブラインドクロスオーバー試験またはランダム化ダブルブラインド並行群間試験
利益相反情報:なし
⑤主な結果
健常成人にクエン酸を継続摂取させることにより、日常生活や運動後の疲労の軽減効果があるとした論文が3報あった。なお、肯定的な論文2報が主観指標のみの評価であることから、アウトカムとしては「疲労」軽減ではなく「疲労感」の軽減に限定すべきと考える。
⑥科学的根拠の質
評価した全ての論文の研究デザイン(試験方法等)が、日常生活や運動後の疲労の軽減効果を調査する目的におおよそ適合していることを確認した。正確性の観点から研究デザインの質(例:臨床試験のランダム割り付け※1、盲検化※2)を評価したところ、3報全てが、最も質が高いレベルと判断できた。臨床試験の規模(例:被験者数)は、総じて一般的に実施される食品摂取試験と同等であった。
また、日常生活や運動後の疲労の軽減効果が確認された論文が3報中3報全てであることから、効果があるという結果には一貫性があると判断した。効果がないという一部の研究成果が、論文として出版されていない可能性はあるが、その点については確認できなかった。
以上のことから、継続摂取することによるクエン酸の日常生活や運動後の疲労感の軽減効果に関して、今回評価した論文全体を通して、科学的根拠の質は確保されていると評価した。(社内基準による科学的根拠レベルの判定:「示唆的な根拠がある」)。
※1ランダム割り付け:試験食品或いはプラセボ食品(機能性関与成分が含まれない食品)のいずれかを、乱数表等を用いて被験者に割り付ける方法。
※2盲検化:被験者が摂取する食品が、試験食品かプラセボ食品か(機能性関与成分が含まれない食品)が分からないようにすること。 |